スポーツ選手には言ってほしくない言葉

新庄剛志さんの日本ハム監督就任が決まったようですね。
野球ファンからならともかく、球界OBや関係者の人達からも歓迎されているようで、意外に思いました。もっと批判の声が上がると思っていました。
あ、私は大歓迎ですよ。ものすごく楽しみにしています。

新庄さんの記者会見での言葉「優勝なんて一切目指しません」
これ、すごくいいなと思ったんですよ。

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あまりに予想外で、え?そうなの?と一瞬思ってしまいましたが、それに続く言葉がとても良い。

1日1日地味な練習を積み重ねてシーズンを迎えて、それで何気ない試合何気ない1日を過ごして勝ちました。勝った勝った勝った勝った、それで9月あたりに優勝争いをしていたら、さぁ!優勝を目指そうと、そこの気合の入り方が違うと思うので、そういうチームにしていきたいと、優勝なんかは目指しません。

この人は見た目ド派手なのですが、もともとはとてもストイックな人。
地道な練習でやったことを試合で実行する。勝利はその積み重ねの結果だと思っているんでしょうね。
私は優勝を目指すならまだよいけど、「優勝しか考えていない」や「優勝以外意味がない」とまで言ってしまうのには、嫌悪感を覚えます。
もちろん競技ですから、勝利を目指して戦っているわけで、負けてもいいやなんて思っているなら、現役を引退したほうが良いと思います。
しかし言葉の選び方によっては、自分は勝って当たり前=相手は負けて当たり前、のように聞こえてしまう。
試合前の不安感を払拭するためのイメージトレーニングかも知れませんし、単純に自分を盛り上げるための手段かも知れませんが、何となく対戦相手へのリスペクトが欠けているようにも感じてしまうのです。
せめて負けたときには、「勝って当たり前」の自分に勝った相手には、最高の敬意を示してほしいな。相手がどれだけの努力や犠牲を払ってきたのか、誰よりもわかっているはずなのだから。

もう一つ、スポーツ選手に言って欲しくない言葉に「応援よろしくお願いします」があります。インタビューの最後に、ファンに向けて一言と言われると、ほとんどの選手がこの言葉を話しますね。
プロ選手で高額の報酬がある場合に限りますが、それって、逆でしょう?と思うのです。
私たちファンを応援するのがプロスポーツ選手っていうものでしょう。
新庄さんの、監督就任が決まった時の、ツイッターでのつぶやきです。

たった今北海道日本ハムファイターズの監督に就任する事が決まりました。

プロ野球の存在意義は

そこの街に住む人達の暮らしが少しだけ彩られたり、単調な生活を少しだけ豊かにする事に他なりません

その裏側に誰を笑顔にするのかを常に心に秘めて

新庄剛志らしく突き進んで生きます!

これが本来あるべき姿だと思うのです。

昔、サッカーのラモス瑠偉さんは、インタビューでファンに向かって一言と振られると、必ず「面白いサッカーを見せますので、是非、スタジアムに見に来てください。」と言っていました。少なくとも私は、彼から「応援してください」という言葉を聞いたことがない。
プロのスポーツ選手って、新庄さんやラモスさんのように、こうあって欲しいなと思うのでした。