もしもピアノが弾けたなら…

私はどうも聴覚に異常というか、ポンコツというか、たくさんの音が一気にやってくると脳が処理できないようなのです。
大きな音はそれほど苦にならないようです。一度だけF1を鈴鹿サーキットに見に行ったことがありますが、ものすごい爆音に感動して涙が出たほどです。
しかし音楽では、先日の記事で書いたような、いろいろな音が効果音のようにたくさん流れてくるアレンジはどうも苦手。「冬が来る前に」は、普通の聴覚なら何とも思わないレベルかもしれません。

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シンプルにギターやピアノの弾き語りが好きです。バンドなら構成する楽器の種類が少ない方が好き。ギターとベースとドラムスの3ピースバンド、もしくはギターが二人なら大丈夫かな。そういったものが大好きです。ハードロックやヘヴィ・メタルにはまった時も、実は、そのてのバンドって楽器構成はシンプルなものが多いんですよね。ただそれだけだったような気がします。基本的には静かな方が好きかも知れません。
最近までそれに気が付かなくて、自分の好みの音楽にたどり着くまでずいぶんと遠回りしてしまったなと思っています。
逆に過去に一世を風靡した、小室哲哉は全くダメでした。いろいろな音が乱れ飛んで、それはもう拷問といった類のものでした。

小学生の高学年のころからギターを弾きたい弾きたい病に罹りまして、親にねだってみましたが、却下。父に友達は皆持っているのかと聞かれて、持っている友達は一人もいないと返事をしたのが間違いでした。地元で商売をやっていたのでとても世間体を気にしていて、仲間内で浮いた存在になるのをとても嫌っていました。
中学生になって、課内クラブでギター部に入りました。クラシックギターでした。これが私が初めてギターに触れた瞬間です。その後、お年玉やらなんやらで、中古のアコースティックギターを買いました。ヤマハの一番安いやつでした。1万6千円。
それからは夢中になって練習しました。すべて独学でした。

高校生になって、ギターを弾く友達もできて、仲間内ではどちらかといえば上手い方だったと思います。それが部活(バレーボール)で左手の人差し指を、縫うほどの怪我してしまって、しかも指が少し変形して、今までのようには弾けなくなってしまいました。
よく初心者はFのコードで挫折すると言いますが、私はそんなことは全く無くて、でも、この指の怪我で今まで普通に抑えていたコードが抑えられなくなってしまったのです。
それ以来、何となくギターから離れてしまって、それでも、40歳くらいまでは憶えていた手の癖で、それなりに弾いていたんですけどね、今はもう、どんなふうに弾いていたかさえ覚えていません。指が全く動かないし。
若い頃はほぼ耳コピで弾いていたので、手の記憶が消えてしまえばそれまでです。

怪我をした指の方は、ほぼ元に戻っていますので、最近はときどきまた弾きたいなと思うのですが、ほとんど憶えていないし、楽譜を用意したら弾けるかな。どうかな。

実は、今は数年前からピアノ弾きたい弾きたい病に罹っているのです。

仕事を辞めて、昼間にドラマ「相棒」の再放送を観ていたら、右京さん(水谷豊さん)がピアノを弾いている場面がありまして、どこかで聞いたような曲が…
あーーーーーと、思わず声が出てしまいました。

私が子供の頃に母が見ていたドラマ。何となく一緒に見ていたのです。
赤い激流
水谷豊さんがピアニストの役で出ていて、コンクールの課題曲としてドラマの中で弾いていた曲でした、
ショパンの「英雄ポロネーズ
ドラマの中で水谷さんは、殺人の容疑で拘置所に入っていて、その中で紙に書いた鍵盤を使って練習していたのです。子どもながらにそれはちょっと無理があるよなぁと思ったものですが、クラシックにほとんど興味のない私でも、子供のころからこの「英雄」だけは、やけに心に刻み込まれていたのでした。

好きだったかどうかというと、特別好きと言うわけでもなく、当時は何となく覚えていた、という程度のものでしたが、今になって聴くととてもいいなと思うのです。なんというか、たくさんの困難を乗り越えて、太陽の光がさんさんと降り注ぐ、世界の真ん中を堂々と歩いている、そういったイメージです。今ではとても大好きな曲になっています。
先日、ショパン国際コンクールで入賞したお二人、反田さん、小林さんも、このコンクールで弾いていましたね。


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この曲を私も弾いてみたい。(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)
とても難しい曲らしいですね。

少し前にたまたまテレビで観てしまったのですが、素人のおじさんが独学でラ・カンパネラをマスターしたんだとか。この曲も滅茶苦茶難しいそうですね。
なぜ、カンパネラにしたのか。やっぱり「赤い激流」だったようです。
この曲も、このドラマで取り上げられていたんだとか。ドラマを見ていて、たまたまこの曲を知っていたのだとか。
この方は、奥さまがピアノの先生だったようですね。だから、ピアノを自由に弾く環境はあったわけです。でも、奥さまには一切教わらずに、全て独学だったのだそうです。


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海苔の漁師なんですって。ちなみに、うちの祖父、そして父の若い頃は、羽田で海苔をやっていたんですよ。
1年の半分は、仕事が忙しくてピアノどころではなかったらしいのですが、残りの半分は暇。とにかく暇。だったんだそうです。それまでその時間をパチンコで潰していたのを、心機一転、ピアノの練習のつぎ込んだそうです。
それにしても、すごいなぁ、と思うばかりです。俺にもできるかな?知らんけど。

今は何か思い立っても、迷って迷って、結局何もしないことが多いです。
今こうして振り返ってみると、若い頃は、今よりももう少し行動に移す力があったような気がします。最近の私は、ホント、ポンコツだなと思います。

でも弾いてみたい。
とりあえず、やっすいのでいいから、鍵盤の楽器を買おうかなと、物色しているところでございます。
ものつく人を見習って(笑)。