献血 54回目 献血には向かない本

2021/12/16 有楽町献血ルーム 成分献血(血小板)

今年最後の献血になります。

採血中にはテレビのスイッチを切って、本を読むのがお気に入りです。
どちらかというと難しくない、あまり頭を使わなくても読める、軽いものを選びます。
軽いというのは内容のことですが、あまり分厚いものも献血には向かないようです。片手しか使えないものですから。

で、最近はブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」が献血の時の定番になっていたのですが、家を出ようとしたときにその本が見当たらないのです。確かリュックに入れっぱなしになっていたような記憶もあるし、農産物直売所に買い物に行った時は、そのリュックには直にボンボン野菜を入れてしまうので、汚れないように出したような気もするし、いろいろと探してみるのですが、どうしても見つかりませんでした。時間もぎりぎりだったし、仕方ないのであきらめて、今読んでいる本を持ち込むことにしました。

人新世の「資本論」 斉藤幸平・著

とても売れているそうですね。図書館には3か月くらい前に予約して、やっと順番が回ってきました。
人新生というのは、人類が地球を食いつぶして、もう限界になってしまっている時代のことを指すらしい。SDGsくらいのことでは、もうどうしようもないところまで来ている。解決策をマルクスを新しく解釈することで探っていこうというのがこの本です。

最初の方を読む限りでは、思っていた通りの内容だったので、そんなに苦労しないで読めそうな気がしたのです。
しかし、それは大きな間違いでした。自分を買いかぶりすぎていました。
マルクスの話が頻繁に出てくるようになると、ちんぷんかんぷんで、もう身動きも取れない。ぜんぜんわからないのです。
そりゃぁね、マルクスの名前くらいは知っていますよ。「資本論」だって名前くらいはね。でもね、成分献血は、血を抜いて、戻しての繰り返し。体から血が抜けている間は、脳の血流も減っているようで、頭が全然回転しないのですよ。もともとマルクスに関しては知識が乏しいところに、役に立たない脳みそですよ。読んでも全然頭に入ってこない。

献血の時は理屈をこねくりまわして読まなきゃならないような本はダメなんだなぁと、あらためて気が付きました。感性で読む本?という言い方が良いのか、ブレイディみかこさんの本は献血の時に読んでも、サクサクと入ってきたのですよ。

で、この血が抜けている時というのは、理屈をこねくりまわすことができない分だけ、とても心が楽なんです。気持ち良いと言っても過言ではない。
以前に採血用の太い針を刺すのが気持ち良いと書いたこともありますが、この血が抜けた感じもまた気持ち良いのです。
ほら、柔道とかの締め技で「落ちる」ということ。あれって、気持ち良いのですよ。もしかしたら、人が死ぬ時って苦痛を感じないように、脳内麻薬物質が分泌されるでしょう、エンドルフィンでしたっけ?あれかななんて思ったりして。
献血の時は気を失うところまで行くようなことになれば、それは大問題になってしまいそうなので、あくまで疑似体験程度のものです。血を戻すとまず間違いなく帰ってこれるますし、もしも万が一のことが起きても、医師や看護師が常駐している施設ですからね、安心と言えば安心かも(笑)。

そう言えば、中学生の時に、体調が悪い時に普通に学校に行ったんですね。体育の授業も普通に出ていてたら、ちょびっとだけ気を失いました。今から思うと、落ちる瞬間はとても気持ち良かったなぁ...(笑)。

今回はすでにこの次の予約が決まっていて(1月1日)、それは血液が足りないとのことで要請があってのこと。絶対にできなくなりましたでは済ませられないと思っています。
今回からすでに、いつもよりも万全の準備をして臨みました。いくらでも抜いてくれ!というやる気満々でした。
血液の素になるようなものをしっかりと食べること。肉、レバー、鉄分などなど。
そして、血液の成分が排出されてしまったり破壊されたりしないようにすること。激しい運動は赤血球を壊しますし、たくさん歩きすぎるのも良くないみたい。その他のことは秘密。

それでも、今回は血液の流れがイマイチ良くなかったみたいで、途中でけたたましい位の警告音が鳴りました。血が流れにくいと、血を戻す時の圧力が高くなって、最悪の場合、脳の血管が破れてしまうこともあるようです。だから、ものすごい警告音だったのでしょう。看護師さんが飛んできて、いろいろと調整していました。
少し離れたベッドでも、体調を悪くした人がいたようで、医師が来てなんやかんやとやっていましたね。
決して甘く見てはいけない。でも、すぐに対処して下さるので、安心です。

献血の後は歯医者の予約も入っていたので、日比谷公園でお弁当をいただいた後、どこにも寄らずに帰りました。自分へのご褒美もこのお弁当だけです。お正月に行った時は、思いっきり自分を甘やかして、ご褒美をたくさん用意したいと思います。でも、元旦はほとんどのお店がお休みなんですよねぇ。

年内に用意しておきたいと思いますが、それはまた別の話...