読了 糖尿病ならすぐに「これ」を食べなさい! 横田邦信著

昔は贅沢病とまで言われた糖尿病。未だに、そう思っている人もいるようです。
私の父は糖尿病でしたし、父方母方ともに、多いです。でも決して贅沢な食事をしていたわけではない。ま、父の場合は少しお酒の飲み過ぎではありましたけど。それでも晩年は自己流でかなりの食事制限をして、主治医からはもう何を食べても大丈夫だと太鼓判を押されたというところまで快復したようでした。

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タイトルの「これ」というのは、マグネシウムをたくさん含んでいるもののこと。

この病気にかかる人が多くなった理由として、欧米の食習慣が入ってきて、糖質脂質が過多になったというふうに一般には考えられているようですが、実際には近年は、摂取カロリーも減少に転じています。糖質も脂質も減少傾向にあるらしいです。
それなのになぜ糖尿病患者が増えるのか。
確かに肥満が原因によるタイプもありますが、近年は痩せているのに罹ってしまう人もいるようなのです。

そこで筆者は、この病気が増えて始めたころに何が起こったのか、そこを踏まえて仮説を立てたのです。

糖尿病が増えた始めた時期、食生活の一番の大きな変化は、塩田法によりにがり成分の入っている塩を一切流通できなくなったこと。これによって、マグネシウム等のミネラルの摂取量が激減したのではないか?

また、これと併せて、穀物の摂取量も減っています。
え?お米もパンも食べているのに!と思う人もいるかと思いますが、ほとんどは精白されたものですね。白いお米やパンには、マグネシウムはほとんど入っていません。外側のマグネシウム等、ミネラルを削ぎ落して食べているのです。

そして著者はマグネシウムと糖尿用の関係に着目して研究を始めるわけですが、そしたら出ること出ること...

まぁ、マグネシウムは体内で300を超える生体の反応に関与していると言われるので、糖尿病との関連もあっておかしくない。
私はたぶん、病気というほどのことでもないけどなんとなく体調が良くないなという場合、マグネシウムが足りなくなっている可能性が高いのではないかと思っています。
実際に、マグネシウムは、血糖値を下げるホルモン、インスリンの分泌には欠かせないもの*1、そして、インスリンの抵抗性*2にも関与していることが分かったのでした。

そこでマグネシウムを効率よく摂るには何を食べれば良いかという話になります。

まずはお肉にはほとんど含まれていません。そして、タンパク質をたくさん食べると、マグネシウムをたくさん消費します。だからと言って、お肉を食べないほうが良いということにはなりませんが、お肉を食べたら余計にマグネシウムをたくさん摂ることを考えなくてはいけません。

本にはマグネシウムを豊富に含んでいる食材を明記してありますが、全部書いてしまうと怒られそうですし面倒くさいので(笑)、それはやめておきます。

例えば穀物を食べるなら精白していないもの、お米なら玄米、パンなら全粒粉。
あとはごまとか豆類。うどんよりもお蕎麦。などなど。

ただ、私が少し疑問に思うのは、農産物は年々栄養価が落ちていると言われているなかで、十分にマグネシウムが含有されているのかなということ。
特に近年は農薬や化学肥料を使うようになり、もともと火山灰の地層でミネラルをあまり含んでいない日本の土壌で、さらにミネラル不足が深刻になっているのだとか。
マグネシウムは元素ですから、そこになければ後から合成されて産生されることはないのです。土にマグネシウムが無ければ、あるのは種の中に含まれている分だけになります。その種だって、マグネシウムが十分でない土で栽培されたものかも知れないし。
穀物を丸ごと食べたり、ごまや豆類は、マグネシウムに期待しなくても栄養は豊富ですので、これを食べる意味がないとは言えないけど、マグネシウムを期待するならちょっと厳しいのではないかなという気もします。

そうなると、海のものから摂るのが良いのではないかなと思うのですよ。
海水に含まれているマグネシウムは、まだまだ無尽蔵にありますし、精製していないあら塩ならマグネシウムは豊富です。
沖縄のちぬまーすなどがものすごいマグネシウムを含んでいると有名ですが、そこまででなくても、コストを考えて、私は赤穂の天塩や、三代目茂蔵(チェーンのお豆腐屋さん)で売られている「沖縄の塩シママース」を使っています。
それでも、普通に市販されているお醤油やお味噌に使われているのは、きっと安い精製塩でしょう。それなら、そこににがりだけを足して使うのもありかなと思います。やはり三代目茂蔵で売られている天然にがりは、割と安く手に入りますのでおススメです。
天然にがりの主成分は塩化マグネシウムです。たくさん入れ過ぎると文字通り苦くなりますし、腸で吸収しきれずに下痢の原因になることもありますが、ほどよく使う分には、かえって味がまろやかになりますし、マグネシウム自体が水と結合しやすいので、お通じにも良いですよ。

また、塩ではなくても、マグネシウムは、海のもの、魚介類や海藻にも豊富に含まれています。
魚は小魚ならば、できれば骨ごと丸ごと食べたいところです。私は煮干しを粉にして、お味噌汁の出汁に使っています。海藻は、昆布やわかめ、海苔など簡単に手に入るもので良いのです。そして、貝類。牡蠣などはマグネシウムだけではなく、さまざまなミネラルをものすごく豊富に含んでいます。絶対におススメです。

また、簡単にマグネシウムを摂る方法としては、サプリメントを使うという手もあります。加えて、マグネシウムは経皮吸収しますので、塩化マグネシウム硫酸マグネシウム等を溶かして入浴するというのも効果絶大です。

私は今のところ糖尿病ではありませんが、糖尿病でなくても、マグネシウムにはいろいろな健康効果があります。
私がマグネシウムのお風呂に入るようになってそろそろ2ヵ月になります。
その効果については、またあらためて書きたいと思っています。

※なんだか、本について直接何かを書いているというよりは、少し脱線して、自分の取り組みばかりになってしまいました(^^;)

*1:血糖値を上げるホルモンはいろいろありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。

*2:インスリンの効きにくさ