読了「自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった一つの考え方」ちきりん著

とあるブログで、この著者の「自分の意見で生きていこう」という本が紹介されていて、読んでみるととても思い白かったので、この著者の脳みその中をもう少し覗いてみたいと思いました。

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この本のキーワードは「生産性」です。
生産性を高めることによって、さまざまな問題が解決できるのに、特に日本はそこにアレルギーがあるようです。未だに根性論とかバカバカしい。
ワクワクしてくる部分もたくさんあるのですが、私の苦手なところを突かれているような部分もあり、苦しくもなります。そう思う「日本人」はたくさんいそうな気がします。
何をもって生産性というのかは、私の文章力では、正確に伝えられないかもしれないので、興味のある方は自分で読んでいただけたら良いのかなと思います。
とてもわかりやすい文章ですので、読書が苦手な人でもすらすら読めるのではないかと思います。

いろいろと興味のある著述はあるのですが、一つ挙げるとすれば、ベーシックインカムのところでしょうか。
社会全体の生産性が上がれば、ほんの一部の人が働けば、この社会は維持できるようになる。一方で、生産性を上げることに反対する勢力が必ずいるもので、困ったことに反対して抵抗することを仕事としている人もいる。そんな仕事はやめてもらって、そのかわり今まで通りのお給料は払います。そうしたほうがよっぽど、社会全体の生産性が上がり、それは働かない人にもお金を配っても大丈夫なほどになる、というのです。

この考え方は目から鱗でした。ステキな世界ですね。(笑)

ブルシットジョブの本でも、ベーシックインカムのことには触れていたけれども、そこまでは踏み込んでいなかったな。クソどうでもよい仕事を削っていけば、総労働時間はかなり減らせる。でも、生産性向上に抵抗する勢力については、触れていなかったと思います。生産性に抵抗する人っているの?って思われるかもしれないけど、ある事件で未だにフロッピーディスクを使っている自治体もあることが公になりましたよね。そういう事だと思うのですよ。今でもあんな生産性の低いことをやっているから、あんな間違いが起きるのです。

矛盾しているかもしれないけど、ベーシックインカムが実施されたら、事業だと採算が合わないという理由でなくなってしまうものも、個人で細々とやっていく分には、そういったものを残せるかもしれない。
だって、生活が保障されていれば、儲けなくて良いのですから。

誰が言っていたのか、ちょっとはっきりとした記憶がないのですが、もしかしたら養老先生かな、こんなことを言っていたのですよ。
皆が皆、自分の好きなことをやれば、新しいアイデアが今よりももっと出てくる。何かイノベーションが起こるかもしれない。その方が社会にとっても良いのでは。

また、貧困が原因の犯罪も減るかも知れないし、そうすれば、治安も良くなるかもしれないし。

とことん生産性を追求した上でのベーシックインカムというのは、良いことばかりのような気がするけれども、私もそうでしたが、日本人って、働くことが美徳だったりするし、たくさん働いている自分に酔っている人もいる。そういう人って、働かない人を軽蔑しているよね。そんなわけで、日本でベーシックインカムは、かなり難しいのでしょう。
私は賛成。働かないで済むなら、もう働きたくないなぁ...。

あともう一つ。

生産性の向上がなかなか進まない職場として、保育園を挙げていました。
給料は安いし、仕事はきついし、勤務時間は長いし。
それには、ちきりんさんなりのアイデアが書いてありました。私はすごいアイデアだなと思いましたが、きっと保育園関係者がそれを読んでも、現場のことを何もわかっていないと一蹴してしまうような気がします。なかなか凝り固まった頭をやわらかくするのは大変なことです。

そういえば、よく読ませていただいているブログにも、ヘルパーの仕事をやめたいと書いてあったな。
これも保育園と同じです。
そのブログには、自分は料理は下手だし、掃除は時間がかかるし、そもそも汚れすぎているし、おむつの交換は...
そうだよね、何でも全部背負わなくちゃいけないというのはきついよね。

私は介護やヘルパーの現場のことはもちろん無知ですが、私なりに考えれば、そんなの料理が得意な人、掃除が得意な人、○○が得意な人、こういう人たちでチームを組んでやれば良いだけのような気がします。
それこそ、料理や掃除なんて外注でも良いと思うし、プロなら道具などの装備だって充実しているはずだし、特殊な事情(アレルギーとか)に対応するノウハウもあるだろうし、どうしてもの時は、それこそワタミの宅食みたいなのでも利用すれば良いのではと思うのですけどね。
きっと、そうなると、介護保険が利用できないとか、いろいろと制約があるのでしょう。なんかバカバカしく感じます。
こうやって、ヘルパーの人がどんどん離職していく...。

 

...そんなことを考えながら、この本を読んだのでした。