NHKのヒューマニエンスという番組を見たんですけど…

こないだ、NHKのヒューマニエンスという番組で、「糖」を取り扱っていたので、見てみたのですが...。

www4.nhk.or.jp

なんとも消化不良というか、見ていてイライラしてきてしまった。

司会の織田裕二は、糖の摂取は人間にとって欠かせない、素晴らしいものという方向に誘導しようとしていたし。何か、甘いお菓子のCMにでも出てたっけ?

解説の大学のセンセは、脳のエネルギーはブドウ糖だけだなんて、今になってもそんなこと言ってるし。しかも、後から、実は脳はケトン体もエネルギーとして使えると目立たないように言っているし。おいおい、どっちなんだよ?この人も何か、甘いもの関連の会社からお金をもらっているの?って思ってしまった。

脳細胞はブドウ糖が途絶えると、たちまち死んでしまう、だから糖は大切なんだって。そこで話を止めちゃったら、糖は摂らなきゃならないものだって誤解を与えるでしょう?後から新糖生のこと、ケトン体のことをちょこっと話してはいたけど、何も知らない人が見たら混乱しそう。

人を人たらしめているのは「糖」だ、だって。
糖が無かったら、脳がここまで発達して大きくなることもなかっただって。
間違ってはいないのだろうけど、そこで終わりにしてはダメでしょう。

確かにブドウ糖を外部から摂ることで、人間の脳は大きくなったかもしれない。
でも、現代とは比べ物にならないほど、ほんの少しの量だ。
現代は人類史上経験したことのない、糖まみれになっている。

加工食品には、甘くする必要のないものまで、糖が使われている。
健康に良さそうな野菜や果物だって、品種改良を繰り返して、どんどん甘くなっている。
買い物に行って、ちょっと小腹を満たすようなものを物色しようとすると、目の前には甘いものや糖質のものばかりやが広がっている。
甘いお菓子や甘い飲み物が、あまりにも手軽に買えてしまう。

無自覚にというか、健康に気を遣っている人だって、知らず知らずのうちに糖を摂ってしまう。それも過剰に。

実際に、糖尿病は増え続けているし、アルツハイマーも増えている。
アルツハイマーが、糖質過剰が原因の一つだっていうのは、医療の世界では常識なのではないの?

解説のセンセは、医師の立場として、この糖質過剰の状態に警鐘を鳴らさなくちゃいけないはずなのに、ずいぶんと曖昧な物言いでごまかしているように感じてしまった。
なぜはっきり言わないの、糖尿病になりたくなかったら、アルツハイマーになりたくなかったら、糖質の摂取はできるだけ控えなさいって。
人間の糖の必要量は、わざわざ甘いものを食べなくても、十分に体の方で作ってくれる。
番組の中で紹介されていたけれども、草しか食べない草食動物、肉しか食べない肉食動物、どちらも人間とそれほど変わらないくらいの血糖値があった。人間はもともと肉食動物だっていうことだし、肉を食べていれば新糖生でタンパク質から糖は作られるんだよ。

日本食はヘルシーなんて思われているようだけど、なんでもかんでもお砂糖を使うのに、健康的だなんて言えない。私自身、甘いものは好きだし、でも食事で甘いものはできるだけ摂りたくないと思っています。
甘いものは、体にとっては何の役にも立たない嗜好品。健康を害さない程度に、少しだけいただくもの。嗜好品というよりも、むしろタバコと同じ扱いでも良いのかも知れません。タバコのように煙を周囲にまき散らさない分、まだましと言えそうですが、アルツハイマーにでもなってしまって、周囲を巻き込んでしまえばもっと厄介になってしまう。

私の家系は糖尿病が多いのです。
父方の祖母は糖尿病がもとで、たぶん神経障害だと思うのですが、言葉を話せなくなりました。何年もずっと入院生活をして、私がまだ幼い頃に他界しました。
叔母は、糖尿病がもとで失明して、そして腎臓の障害で透析をすることになり、その透析中に急に意識を失って、亡くなりました。
まだ20代の頃からの闘病でした。医師の指導による食事法は徹底してやっていましたし、それでもどんどん悪化するばかり。
当時は、糖尿病食というと、カロリー制限とバランスよく食べるという事が推奨されていました。今でも、本気でそう信じている医者もいるようですが、でも、実際にはバランスなんてどうでもよいのです。ただ、糖・糖質を摂らない、それだけで良かったのです。加えて、マグネシウムを摂っていればなお良い。あの頃に、糖質制限という概念があれば、もしかしたらあそこまで悪化しなくて済んだのかもしれない。
そして、父も若いころから糖尿病でした。
晩年は、どこから学んできたのか分からないのですが、今から思うと徹底的に糖質制限をしていたと思います。甘いものはもちろん、米を食べているのさえあまり見た記憶がない。もともとビールが大好きだったはずが、焼酎しか飲まなくなりました。
病気の方はかなり改善されて、医者の方からも、もう好きに食べても大丈夫だと太鼓判を押されたそうです。とは言え、それから好きに食べる猶予もなく、他の病気で逝ってしまいましたが。

昔は、糖尿病というと、贅沢病なんて揶揄されたりもしました。
でも、我が家は決して贅沢な食生活なんてしていませんでした。
和食が中心の質素なもの。
今から思うと、お肉やお魚よりも、お米。
ごはんと野菜ばかりの食事だったと思います。
加えて、昨今言われている、マグネシウム不足も絡んでいるかもしれません。

祖母や叔母は、糖尿病、糖・糖質について、医師の誤った認識によって、病状を悪化させてしまったわけですが、もうこんなことを繰り返して良いはずがありません。
医師は、日和ることなく、糖質過剰のリスクを強く訴えるべきです。

かなり番組の話から逸脱してしまいましたが、別の大学の先生が出てきた後半はちょっと面白くて、興味深く拝見しました。
アダムとイブの禁断の果実は、りんごではない、焼き芋だって(笑)。
芋のようなでんぷん質のものは、生のまま食べても甘くない。
加熱して食べるという事を覚えたとき、加熱によりでんぷんが糖に変化して、その甘さに魅了されてしまった。そこから人間は糖を摂ることを覚えたのではないかというもの。
芋はじっくり加熱すると、とても甘くなります。こうして糖を摂ることによって、脳が発達して、人類が進化した。

あ、重ね重ね申し上げますが、この時代はコンビニなどあるわけでもなく、摂っている糖の量はたかが知れています。脳の発達には、糖は、ほんの少しでも十分だったのです。

この糖質過剰の今、食べなければならないのは、人間の本来の食べ物、肉なのかもしれません。
肉を食べても、そこから体が必要としている分くらいは、糖は作られます。
もっと気を付けなければならないのは、いくら糖を摂ってもそれをエネルギーに変えられなければ意味がないということ。
お肉には、身体でも脳でも、エネルギー代謝に必要な栄養がたくさん詰まっています。

身体は食べたもので作られる。
なかなかそうはいかないけれども、山を走り回って、いろいろなものを食っている動物の肉ならば、栄養にも多様性があって、サイコーだと思うんですよね。

......イノシシの肉、食ってみたいな(笑)(笑)