まだ十分に解明されているというわけでもないようですが、糖質の摂りすぎには気を付けたいものです。

こないだの記事に、にゃー将軍さん(id:stoolpigeonn173)からブコメをいただきました。

NHKのヒューマニエンスという番組を見たんですけど… - 通りすがりのものですが

アルツハイマーも糖質過剰が原因の1つなんですか? うちの母はどう考えても糖質摂り過ぎなので不安です。父にも「自分だけ食べるのは悪いから」って甘いもの食べさせちゃうし。父も父でそれを食べちゃうし笑 アカン

2022/10/17 10:22


アルツハイマーも糖質過剰が原因の1つなんですか? うちの母はどう考えても糖質摂り過ぎなので不安です。父にも「自分だけ食べるのは悪いから」って甘いもの食べさせちゃうし。父も父でそれを食べちゃうし笑 アカン - stoolpigeonn173 のブックマーク / はてなブックマーク

 

糖質だけが原因ではないのでしょうし、個人差はありますが、リスクは高まると言えます。

甘いものが好きな人でも、できれば血糖値が一番下がる午後3時頃に少しだけいただく、それくらいにしておいた方が良いのかと思います。
自分も含めて、なかなかそうはいかないのですけれどもね。
自分の場合は、甘いものが好きなので、それならそれ以外はできるだけ糖質のものを我慢しようかなという事でもあります。

認知症については、まだ解明されていない部分も大きく、まだ仮説の段階だったりもしますが、その仮説はかなり正しいのではないかといわれています。

例えば、先日、論文の改ざんが認められてしまったアミロイドβ仮説。こちらの記事にも書きました。

tohost3250303.hatenablog.com

改ざんはあっても、大まかな方向性は正しいのではないかという事です。

私の知っている範囲で、簡単に説明します。
アルツハイマーの患者さんの脳には、アミロイドβというタンパク質が異常に存在しているというのです。とても粘り気のあるタンパク質で、脳内にべっとりと貼りついている。これが認知症の原因なのではないか。
アミロイドβは、健常な人でも、普通に存在します。普通は酵素によって分解されるので、特別に恐れるものでもない。
しかし、厄介なことに、この酵素インスリンを分解する酵素でもあるのです。
血糖値が上がって、インスリンが大量に分泌されてしまうと、今度はこのインスリンも分解しないといけません。いつまでもインスリンが血中に大量に存在すると、それはそれでよくないのです。
インスリンを分解するために、この酵素がたくさん使われてしまうと、アミロイドβを分解する方には回らなくなる。こうしてアミロイドβが大量に発生して、脳に蓄積されていろいろと悪さをする。これがアミロイドβ仮説です。

これを防ぐためには、インスリンが大量に分泌されないようにすること、すなわち、血糖値を上げないような食事をすることが大切です。
これについては、繊維質や脂質と一緒に摂るなど、糖質を摂ってもそれほど血糖値を上げない食べ方もありますね。糖尿病でなければ、こういった食べ方も有効です。

あともう一つ。
糖尿病には、すい臓の細胞が壊れてインスリンが産生されなくなる1型と、生活習慣病と言われる2型がありますが、一部の専門家の間では、アルツハイマーを3型の糖尿病と呼んでも良いのではないかと言われています。
それは、この病気にかかる仕組みが、糖尿病とよく似ているから。
症状が脳に出るのか、身体に出るのかの違いではありますが、原因は同じものなのではないかと考えられています。

糖を過剰に摂っていると、だんだんとインスリンが効かなくなってきます。これをインスリン抵抗性と呼びます。
インスリンが分泌されても、糖をエネルギーとして取り込めなくなるのです。

インスリン抵抗性が強くなると、糖をエネルギーとして使えなくなります。
そのようにして脳でエネルギーが枯渇してしまうと、脳の神経細胞が壊疽してしまうのです。
これがアルツハイマーの原因なのではないかという事です。

身体の反応には個人差もあるし、やみくもに恐れることもないのかなとは思いますが、医者の立場なら、ましてやテレビ等の公での発言なら、そこをきちんと話してほしいなと思います。
また、医者ではない我々としても、糖質の摂りすぎに注意するに越したことはないと思います。

脳は久しくブドウ糖だけをエネルギーとして使うと言われていましたが、今では、実際には脂質から産生されるケトン体も使えることがわかっています。
糖尿病や認知症の予防、改善には、このケトン体を使えるようにするということが大切です。今のところ、ケトン体が利用できなくなるような病気は確認されていないようですし、それならケトン体はじゃんじゃか使いたいですね。
ケトン体を作るには、糖質を控えて血糖値を上げないようにしなければいけません。そしてその材料になる脂質を摂ることも重要です。
いままで身体にあまり良くないと言われていた油(脂)。これを摂りましょうというのは勇気が要りますね(笑)。

まあ、油ならなんでもよいというわけでもなくて、身体に良くない油やたくさん摂ってはいけない油もいろいろあります。

それはまた別の話...。