照ノ富士関の休場を聞いて、スポーツのあり方について思ったこと

照ノ富士の休場は、膝の怪我だけではなくて、糖尿病の悪化もあると聞いて、あぁ、やっぱりそうだったのだなと思いました。

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スポーツの世界、特に身体を重くすることを要求される競技は、少し考え直した方が良いのかなと思っています。
照ノ富士は膝の怪我がずっと治らないでいます。
たぶん、多くの人はこれが身体の重さが膝に多大な負担を与えていることが原因だと思っているのでしょう。それならば、膝周辺の筋肉を鍛えて丈夫にすれば何とかなるのかと。

そして、糖を摂取しても、体を動かしてカロリーを消費すれば問題ないと思っている。

でもそれだけでは済まないんだよな。

糖を摂ればインスリンが余分に分泌されます。
インスリンは糖を体に取り込むのにとても重要なもの。
でも、インスリンってそれだけではないんですよね。
糖の吸収以外にもいろいろな役割がある。
あ、インスリンは糖を摂らなくても、微量は分泌されているんですよ。
糖の吸収にたくさん使われてしまえば、他の役割を果たせなくなる。
そして、糖の摂取によって、たくさんインスリンを分泌してしまえば、今度はインスリンを分解する酵素が必要になってくる。
糖が十分に吸収された後もたくさんインスリンが身体の中にあると、血糖値が下がり過ぎてそれはそれでまずいことになるんですよね。
インスリンを分解する酵素は、その他にもいろいろな役割を担っています。
例えば認知症の原因とされているタンパク質、アミロイドβの分解。
つまり糖の過剰摂取は認知症の原因にもなるわけです。

また、糖は体の中で燃焼されると、最後はタンパク質と結合してAGE(終末糖化産物)と呼ばれる物質になります。
これはかなりヤバいものです。体の中に蓄積されて、しかも排出できないらしい。
老化の原因とも言われている物質です。

これが身体のあちこちに蓄積されて、いろいろと悪さをする。
照ノ富士の怪我が治らないのも、このAGEが膝に蓄積されて、組織が脆くなっているのではないのかな。
親方連中は経験的にこの怪我は治らないとわかっている。でもその原因まではよくわかってないみたいですね。
決して稽古不足でもなく、稽古のやり過ぎでもないのです。

相撲だけではないんですよね。
例えばプロ野球でも、体を大きくすることに躍起になっている。
タンパク質だけで大きくなっているのならまだ良いけれども、体の中で糖が足りなくなると、タンパク質(筋肉)を分解して糖に変えます。筋肉を減らさないために、糖も十分に摂るということが行われていないか、それが心配になります。

大谷君あたりも心配になっています。このところずいぶんと身体が大きくなったからね。
例えば、巨人の菅野投手の近年の不調は、体を大きくしたことが原因なのではないか。
身体を大きくすると、短期的には良い効果があるかも知れない。でも長い目で見ると、選手寿命を短くする可能性を高めてしまうのではないかって思っています。
イチロー選手という、ものすごく良いお手本がいたのですから、もっと注目しても良いのかなと思います。

優れたアスリートって健康的なイメージがありますよね。
でも、この人が何でこんな病気になるの、何てことはよくあるような気がします。
最近だとアントニオ猪木さん。
あんなにしっかりと体型を保っていたのに、猪木さんの病気は、糖の過剰摂取が原因だとする医師もいます。

たくさん糖を摂るのはもちろんダメですが、糖を摂ってそれを消費するために過酷な運動を課すというのも、これまた身体に良くない。結局、マグネシウム等のミネラルを過剰に消費して、免疫力が下がります。

よくランニングをしている人を見ると、好きで走っているならまだしも、健康のために無理して頑張っているのなら、やり過ぎには気を付けてねって思ってしまうようになりました。それ、体に良くないですから。

スポーツのあり方、考え直す時が来ているのではないのかな。
今のままでは、スポーツ=健康ではなくなっていきます。

人生50年の時代なら、問題が顕在化する前に死んでいたのだろうけど、今は人生80年、やがて100年の時代になるのでしょう。
スポーツは今をカッコよく過ごすものではなくて、これからの未来を健康に生きるために活用したいものです。
まずは必要以上に体を大きくしようとしない、どうしても大きくしたいなら、糖を摂らずにたんぱく質を最大限利用する。
糖の過剰摂取による問題は、運動では解消できないということを、いつも念頭に置いておくべきです。