テレビのニュースでチンペイさん(谷村新司さん)の訃報を聞いた時は、やっぱり体の調子は良くなかったんだなって思いました。
ときどきお姿を拝見する度に、このところ急に年をとったというかやつれたというか、そういう感じがしていました。相棒のベーやん(堀内孝雄さん)やキンちゃん(矢沢透さん)はまだまだ元気そうだったのでなおさら。
初めは亡くなったんだなって、ただそれくらいの感情だったのですが、時間が経つにつれ、少しセンチになってきました。
やっぱり寂しいな。
父には妹が4人いて、一番下の妹がチンペイさんの大ファンでした。
私とは15歳くらいしか年が離れていないので、叔母というよりも年の離れた姉という感じだったな。(病気ですでに亡くなっています)
私が子供の頃、叔母が結婚して家を出るまでは、子供部屋と叔母の部屋はふすま一枚隔てた隣だったので、否が応でも毎日毎日、谷村さんの歌声を聴かされました。
それほど好きではなかったけれど、これだけ毎日聴かされてしまえば愛着みたいなものは芽生えてくるというものです。
初めてプロの演奏をライブで聴いたのもアリスでした。
叔母に連れて行ってもらった、というよりは、半ば強制的に連れて行かれたという感じでした。
子供心に、コンサートでは音量がでかすぎて、ただうるさかったという印象でした。そんなに大きな音を出さなくても聴こえるよって(笑)。
でも、最後に演奏した「遠くで汽笛を聞きながら」は、子供心にじんわりきたな。とは言え、この曲をアリスで演奏するときは、ベーやんがリードヴォーカルでしたけれど。
(作詞はチンペイさん、作曲はベーやん)
私がギターを弾いて歌うことに憧れみたいな気持ちを抱いたのは、さださんの影響がとても大きいですが、その前にチンペイさんやアリスの影響もあったかもしれません。
チンペイさんといえば、こちらの記事でマスクドさんが言及されている通り、エロキャラのおっさんでした。
あの落ち着いた声でエロいことをシレっと話すので質が悪い。
マスクドさんはチンペイさんを指して、エロいことでも堂々と言えばエロくならないと言いますが、個人的にはやっぱりどうしてもエロいことはエロいのです。
ヤンタンは東京では聴けなかったとは思いますが、東京で聴けるものなら、叔母はチンペイさんが出ていたラジオはすべて聴いていたはずです。叔母があんなエロい話を聴いてキャッキャ言っていたのかと思うと、ちょっぴり微笑ましく思えたりもします。(叔母はそういうキャラではなかったので)
そうそう、女優の小川知子さんとデュエットした「忘れていいの」という曲では、最後の一番盛り上がるところで、なんと小川さんの胸のところに手を入れてしまったのです。
ザ・ベストテンとか、テレビの歌番組でも平気でやっていました。
子供心にドキドキして見ていました。
そして、やっぱりただのエロいおっさんだなと、あらためてそう思ったのでした。
とは言え、このエロいおっさんは、ときどきものすごい心に残る言葉を作り上げます。
好きな歌はいろいろありますが、私は「天狼」という歌が一番好きかも。
これは私が個人的に好きな歌。
私が心の中にしまっておけば良いのですが、一方でたくさんの人の心に遍く残って欲しいなという歌もあります。
一つあげるとすれば、やっぱり山口百恵さんに提供した「いい日旅立ち」でしょうか。
センチな気分になって、何となくこの歌を弾き語りしてみたくなりました。
ネットでコードを調べて、適当にアルペジオで弾いてみたら、もうそのまんまいい日旅立ちでした。
オリジナルのキーではカポ1で、イントロの最初のところ、Dm→G→C...イントロの最後のところ、Am→E→Am→E...そして歌いだしのところ、Am→E→A→Dm...
これだけでいい日旅立ち気分になれます(笑)。
私はハードロックやヘヴィメタみたいなのは大好きですが、そういうのは自分一人で聴いていれば良いもの。
街中で流れるのは、こういった優しいくてやわらかい歌詞、曲のものであって欲しいなと思っています。
特別に好きでなくても、嫌な気持ちになる人はあまりいないはずですし。
今でもJRの電車の発着にこの曲のメロディが使われている駅もあるみたいですね。
この曲を聴く度にチンペイさんのことを思い出す人もいるのかな？
まずは山口百恵さんのいい日旅立ち。
少し陰のある百恵さんの歌声は、この歌によくあっていると思います。
チンペイさんと百恵さんのデュエット。
鬼束ちひろさんが歌った別バージョン。
最後にチンペイさんのいい日旅立ち
どれもみんな、ステキです。
