読書の記録 2022/5週 1/24(月)~30(日)

読書の記録の記事に、必ず私も本を読みたいんですけど、でもなかなか読めないんですとコメントを下さる方がいます。
もしも私の記事で、自己嫌悪に陥っているとしたら、申し訳ないです。
でもねぇ、本なんて、無理に読まなくても良いのですよ。

昔、私が高校3年生だった頃の話ですが、「Ronin」という映画があったのです。
現役での受験は、受かってもどうせ行かないからと強気で本命以外は受けなかった私。そして見事に撃沈。そんな時に、やはり全て落ちた同級生にこの映画を観に行こうと誘われたのでした。

私はあまり乗り気ではなかったのです。何も浪人が決まったからって、「Ronin」なんて観なくてもいいじゃないの。それにしても、主演が武田鉄矢ですよ。金八先生の。
別に武田鉄矢氏に何か恨みがあるわけでもないのですが、何も武田鉄矢氏が坂本龍馬を演じなくてもいいじゃないの。

高校に入学して間もなく、吃音を自己催眠で矯正するという、ある意味インチキセラピーを受けたわけですが、そのセラピストの人に「誰か好きな人いますか?」と聞かれて、「いますけど、今ここでは話したくないです。吃音と何か関係があるのですか?」と返事したら、そのセラピストは苦笑いして、「そうじゃなくて、尊敬する人とか憧れの人っていう意味です。」
それなら最初からそう言ってよ~。中学校を卒業する直前に告白して、見事にふられたんだから、ちょっとそこには神経質になっていたんです。
その時に勧められたのが、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」でした。
悩んでばかりいても何も解決になんかならない、もっと視線をあげて、遠くを見なさいということを言いたかったのだと思います。
まだまだ純真な少年だった私は、むさぼるように読みましたよ。こんなに長編の小説を読んだのは生まれて初めて。司馬遼太郎さんの描く竜馬は、とてもかっちょいいのです。ときどきダメ人間エピソードっぽい描写でさえ、人として、男として、妙に愛嬌がある。
つまり、私の中に、とても強い憧れとしての竜馬像が出来上がっていたのです。

なのに、なのにですよ。なぜ、それが、武田鉄矢なの?
勘弁して。私の竜馬に対する強い憧れの気持ちが見事に崩壊してしまいました。
武田鉄矢のバカチン。もちろん、この人が竜馬を愛しているのは知っています。でもね、それは自分の腹の中にぐっとしまっておいてほしかった。
私のように、悲しい気持ちになった人は、たぶん少なからずいたのではないかと思っています。だから、本当は見たくなかったのです。
結局、その同級生に押し切られる形で、一緒に見に行ってしまったのでした。
(しかしこの映画、吉田拓郎さんが高杉晋作を演じていたのには笑えました。)
ちなみに、この時に一緒に行った同級生は、一年後に東大に合格しています。私はというと...秘密です...

別に武田鉄矢さんそのものを否定しているわけではないんですよ、彼に坂本龍馬をやって欲しくないというだけであって、刑事物語の片山元はかっちょよかったですもん。特に2作目の「リンゴの詩」のハンガーヌンチャク!

なんでこんな話を書いているのか、理解に苦しんでいる方もおられると思いますが、その龍馬愛で知られる武田鉄矢さんが歌った歌に「遙かなる人」があります。
龍馬のことを書いた歌です。


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本など広げて 言葉を探すより
人は空を見上げている方が
ずっと 賢くなれるんだと
遙かなる人の 声が僕に届く

まるさんには(あ、誰だかばらしちゃった...)この言葉を贈りたいと思います。
本を読むより大切なことはたくさんあるのです。

とは言え、いつも思うのですが、武田鉄矢氏の歌は、いつもお説教っぽいですよねぇ。
金八先生で大ヒットした「贈る言葉」や「人として」なんて、お説教そのものじゃないですか。日本人はお説教が好きなようですが、個人的には聴いていてだんだん辛くなってきちゃうのです。金八先生も、腐ったみかんの加藤君以外は、ちょっと苦手でした。
腐ったみかんの加藤君のエピゾードの時は、中島みゆきさんの「世情」なんてかかっちゃって、大変盛り上がりました。


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みゆきさんの歌はいつも優しい。こんなに強く歌っているのに、とても優しい。

以前にも書いたことがあるけど、海援隊の「人として」では

鳥のように生きたいと 夕空見上げて佇むけれど
翼は愚かな あこがれと気付く

空を飛べたらという気持ちを一蹴しています。その一方で、中島みゆきさんは「この空を飛べたら」では、

空を飛ぼうなんて 悲しい話を
いつまで考えているのさ

で始まっても、最後は

ああ 人は 昔々 鳥だったのかもしれないね
こんなにも こんなにも 空が恋しい

聞く者に寄り添って終わりになるのですよ。

無駄話が過ぎました。そろそろ本題に入ります。

本の記録 借りてきた本・買ってきた本

前週までに図書館で借りていた本

健康自主管理と食品の常識 三石巌著

「三石理論による健康自主管理システム」というシリーズの第2巻で、今週、第1巻の方を借りることができたので、そちらを先に読んでいます。

今週、図書館で借りた本

糖質制限革命 江部康二著 (読了)

私が糖質制限に興味を持ったのは、これがもしかしたら吃音にも効くのではないかと思ったからです。
糖の代謝には、たくさんのビタミンBを消費します。
また、一方で、ビタミンB群の中には、脳神経に作用するものがあります。
吃音が脳の誤作動で起きているものならば、もしかしたら、糖の摂り過ぎによってビタミンBが不足しているのではないか。

何となく心当たりがあるのです。思い返してみると、たくさん食べた時、それが甘いものだったかどうかはちょっと曖昧ではありますが、しゃべりにくくなっているのです。

いろいろ調べてみると、このビタミンBは体の様々なところで利用されています。例えば、私が不足していると思われるマグネシウムの吸収も、ビタミンBが必要なのだそうです。
これほど大切な栄養素なのに、これを全て糖の代謝に使われてしまっては、それは困ったことです。

とりあえずは今のところ、手に入る範囲でサプリメントをいろいろ試しています。
近々、自分にはどういったサプリメントが必要なのか、見極めて、iHearbで購入しようと思っています。

話を元に戻します。

この本には主に、糖質制限による効果と正しいやり方を解説しています。
決して痩身術というわけでもなくて、痩せるかどうかということになれば、あくまで結果として適正な体重に近づいていくというスタンスです。太っている人は痩せるし、痩せすぎている人は逆に体重が増えるかも。
だから、単に痩身術として始めてしまうと、思った通りの効果が出ないかもしれませんし、もしかしたら逆に心身の不調を招くことになるかも知れません。
よくあるパターンとしては、今まで食べていたものから、単に糖質だけを省いた食事を摂ること。
そうなると、どうしても総カロリーが不足して、エネルギー不足になりがちになるのだそうです。
それならばどうすればよいのか?
糖質を減らした分だけ、エネルギーになる別ものを食べなければなりません。

つまりタンパク質や脂質になるわけですが、タンパク質はエネルギーとして使うには、効率がとても悪い。ここでは脂質をしっかりと摂りたいところです。
できれば、動物性の脂。(この本に書いてあるわけではありませんが、植物性なら、オリーブオイルやココナッツオイルが良いです。他の油はできるだけ避けたほうが良いです。)
動物性の脂は体に悪いと思われている人も多いと思いますが、決してそんなことはないのです。むしろ、植物性の油の方が、酸化はしやすいし体内で炎症の素になりやすいし、食べすぎには気を付けた方が良いです。医学や健康については、昨日の常識が今日の非常識になってしまうこのご時世なのです。

脂質は血糖値を上げる原因にはなりません。
そして、食べるだけでエネルギーを消費します。これはもしかしたら、基礎代謝が上がるということなのかな?ごめんなさい、ちょっとそこのところはあいまいです。

糖質がなぜいけないかというと、その一つがやはり血糖値を上げるということになるのです。

血糖値が上がると、インスリンが分泌されます。インスリンによって、血液中の糖は体脂肪に変わってしまうわけです。決して、脂質を摂ったからといって、体脂肪になるわけではないのです。この本の中で、インスリンは「肥満ホルモン」という位置づけです。

また、血中の糖を下げるためにインスリンが分泌されるわけですが、そのインスリンも、いつまでもそのままにしておくわけにはいきません。用が済んだら消えてもらわないと、いつまでも血糖値を下げてしまってエネルギーが不足してしまいます。
このインスリンを分解するのには、ある酵素が必要です。それが困ったことに、この酵素インスリンだけに作用するのではないのです。

アルツハイマーの人の脳には、アミロイドβというたんぱく質がたまっていることが分かってきました。本来なら、脳には無いはずのものです。通常はこのたんぱく質が発生しても、ある酵素の働きで分解されてしまうのだそうです。しかし、実際には分解されることなく、脳のバリアをかいくぐって侵入してします。
実は、インスリンを分解する酵素とこのアミロイドβを分解するこそが同じものなのだそうです。つまり、たくさんのインスリンが分泌されてしまうと、この酵素インスリンの分解で使い果たされてしまって、アミロイドβまで手が回らなくなる。

これがもしかしたらアルツハイマーの原因ではないか。

つまり、インスリンの分泌は、できる限り少なくするというのが、アルツハイマーを予防する。

他にも、さまざまな病気の予防や治療に、この糖質制限が効果があるのではないかと、著者は考えています。ほとんどの生活習慣病、それ以外の病気でも、ウイルス性の疾患でなければ、何かしらの効果が望めるのではないかということです。

例えば多くの日本人がかかっている生活習慣病というと、それはもう糖尿病でしょう。
昔は贅沢病などと言われていたこともありますが、けっしてそんなものではないです。
うちは糖尿病の家系です。父方の祖母、父、叔父、叔母...等々、糖尿病が多いです。自分が見ていた限り、贅沢なものを頻繁に食べていたという記憶はありませんし、むしろ粗食な方だったと思います。実はこのごはん中心の粗食が問題だったのではないか。もっと肉や卵、魚を食べていたら、こんなことにならなかったのではないかと思っています。(父の場合は、お酒の影響もありと思います。)

この糖尿病ですが、以前はこの病気にかかると、バランスよく食べましょうと指導されたようです。
叔母は自分でもきっちり勉強して、病院からの指導に忠実に食事を摂っていました。でも、全く改善されませんでした。むしろどんどん悪くなるばかり。結局合併症で失明して、最後は透析が必要になり、その透析中に意識を失いそのまま亡くなりました。
実は、アメリカでは、ずいぶんと前からしっかりとしたエビデンスをもって、糖尿病には糖質制限というのが当たり前だったようです。しかし、日本の医療はそれを否定していました。いつまでたっても、バランスの良い食事にこだわっていたということです。
皆さん、気を付けましょう、このバランスの良い食事と言われているものは、決して健康に良いものではないのです。

ちなみに父は、晩年はかなりの食事制限を自分に課していたようです。具体的に話を聞いたわけではありませんが、糖質には気を遣っていた記憶があります。もう好きに食べても大丈夫だと、かかりつけの医師から太鼓判を押してもらいましたが、別の病気で逝ってしまいました。 その病気には、糖質制限は効果なかったんだな...

ここまで書いておいてなのですが、私は甘いものが大好きです。徹底的に排除しようとは考えていません。
でも、いつまでも甘いものが食べたいからこそ、日常的にはしっかりと糖質制限をしなければと思っています。夏は少しアイスを食べすぎてしまったようです。少し反省しています。少しだけ。
特に、私の場合は、糖質制限に吃音を何とかする活路を見出したいと思っていますので、しっかりと取り組んでいかなければと思っています。

健康自主管理のための栄養学 三石巌著

先週借りてきた「健康自主管理と食品の常識」とは、「三石理論による健康自主管理システム」というシリーズになっていて、こちらが第1巻です。

あともう少しで読み終えるところです。従来の栄養学と、三石先生が提唱された分子栄養学との違いからして、とても興味深いです。
決して、従来の栄養学を全否定しているわけではなくて、さらに進めて、分子栄養学は、分子のレベルまで掘り下げて考えています。それは個体差ににまで及びます。

それにしても、血液検査の数値の見方なんていう項があるのですが、最後の最後で、この本に書こうとしている事とはあまり関係ないと書かれていて、肩透かしにあいました。もう、三石先生ったらぁ!

詳しくは読了後にまた書きたいと思います。

セラピーのためのポリヴェーガル理論 デブ・デイナ著

結局、いつまでもトラウマに取りつかれている自分がいて、それを乗り越えるための「何か」を探しているわけですが、今のところ、このポリヴェーガル理論に、その「何か」を求めているようです。

パラパラとめくったら、どちらかというとセラピスト向けに書かれているなという印象でした。セラピーを受けたい当事者がこれを読んでも、ちょっと入ってこないかなという気がします。厚い本なので、すでに読むのは諦めています。
当事者が自分で自分自身に施すための本が欲しいところです。ポリヴェーガル理論については、もう1冊予約しています。手元に来るまでにはまだ少し時間がかかりそうですが、たぶん今度こそは、当事者のための本のような気がしています。
本当は買ってじっくりと読みたいのですが、値も張りますし、内容を確認してから決めることにしようと思っています。

その他

医師が教える「あなたのサプリが効かない理由」 宮沢賢史著

ずっと前に買って、その時は軽く流し読みをしたのですが、あまり入って来ませんでした。今回、また自分の中で分子栄養学について盛り上がっていますので、このタイミングでもう一度読み直しています。
著者の宮沢賢史先生は、治療に分子栄養学を取り入れて、サプリメントを使っている医師です。
すこし前に読んだ藤川徳美先生と違っているのは、藤川先生は自らの健康は自分で勉強して、サプリメントもドラッグやコンビニで売っているもので十分だと主張しているのに対して、宮沢先生は、サプリメントは医師の指導の下で使い、そのサプリメントも、医療用に作られた(ちょっと高価な)ものを使うのが望ましいとしているところです。

宮沢先生も藤川先生も、サプリメントを飲む以前に、食事の改善は必要だと言っています。逆に、正しい食事を摂らなければ、サプリメントも効かないということです。

前回読んだ時と比べて、わりとすんなりと自分に入ってきますね。
詳しくはまたあらためて。

今回は以上です。