スーパーで働いていた時のこと、前にも書いたことあるけど、いきなり魚屋をやれと言われたのですよ
全くの素人、試行錯誤で何とかやっていったわけですが、なかなか売り上げが上がらない
「専門家」みたいな人に相談すると、まず間違いなく、売れ筋のもの、売れているものにもっと力を入れて販売しなさいと言うのですよ
まあね、それがお客さんの求めているものだから、間違いではないのですけど
お客さんに訊いても、塩鮭とかアジの開きとか、後はなんだろ?普段食べているものが浮かんで、それが安かったら良いなくらいになると思うのです
とは言え、納得できない部分もあって、売れ筋に絞っていくと、競合店だって同じようなものを売っているのだから、最後は価格競争になってしまう
売れているものを売れと言われても、客数には限界があって、そう同じものを頻繁に何度も何度も買ってくれるわけでもないでしょ?
思った通り、売り上げは上がらないのでした
て、毎年、年末になると新巻鮭を注文してくださるお客さんがいて、それも一番良いヤツを頼むよと言うのですよ
いつも本当に良くしてくれる常連のお客さんだし、少しでも安く出してあげたいと思って、市場の仲買には最高級新巻鮭を箱で注文したんですね(頼めばバラでも売ってくれる)
そうすると、どうしても半端が出てしまう
それを切り身にして売るわけですが、初めはこんな高いもの売れるわけないよな~、最悪の場合は自分で買って食べよう、くらいに思っていたんです
だって、当時は普通の銀鮭の切り身が特売で一切れ100円くらい、安いときは3切れ200円なんてやっていたのに、それに対して、本チャンの紅鮭切り身は、一切れ4~500円くらいになってしまうんですよ
それがね、すこ~しずつ出してみると、ポツポツ売れたのです
何気に観察していると、その高い鮭を手に取るお客さんの顔が、いつもとても嬉しそう
たまたまよく知っているお客さんが手に取ったので、こんなに高いものどうして買うのか訊いてみたら、だって他ではなかなか売ってないし美味しいんですもの、だって
こんなに高いものを買ってくれる客層がうちにもいたのだなと、少しびっくり
で、またある時、市場で、良いのが入ったからと無理やり押し付けられたのが、本チャンししゃも
カラフトシシャモではなくて、本物の北海道のししゃも
こんなに高いもの、うちで売れるはずないと思ったのですが、市場の仲買さんの圧しが強くて断れそうもない
渋々、最小ロットで買ってきたわけです
店頭の値段、1匹300円くらい付けないと、合わないのです(1バック300円ではないですよ)
冷凍物だし、恐る恐る少しずつ店頭に出してみたわけですが、これもよく売れたんですよ
市場の方に追加で注文したくらいです
それを手に取るお客さん、やっぱりみんなニコニコしてるの、すごく嬉しそう
鮭にしてもししゃもにしても、ものすごくたくさん売れるわけではなかったけど、単価が高いから、それでも売り上げは結構な金額になるのですよ
しかも、安い鮭のように、他店と競合しないから、必要以上に値段を下げる必要もない
鮮魚部門全体で売り上げが上がっても、高単価の物を売っていると、販売個数はむしろ下がることもあって、つまり、作業する手間が減る、その分また他のことに時間を使えるようになって、また新しいチャレンジができる、そういう好循環になってきました
それまで、ほぼメバチマグロしか売ったことがなかったマグロの売場でしたが、今度は本まぐろに挑戦
最初は冷凍ですでにサクになっているものから買ってきて、恐る恐る売り初めて、売れる感触をつかんだら、次はブロックで買ってきて自分でサク取りしました
ついには、マグロとしてはそれほど大きいものではないけれど、20kgくらいの生の本まぐろ一匹丸で買ってきちゃったりして
そんなでかい魚をさばくことなんて想定してなかったので、出刃は小さいのしかなくて、さばくのが大変でした
高価なものだし、心を込めて、丁寧に丁寧にサク取りしましたよ
高価なものって、少ない量でも売り上げがいくから好き♥️
まあ、どのお店でも同じようにはならないかもしれないですし、うちは最低限のロットをこなせるだけの売り上げ規模があったというのもあるとは思います
でもね、その時に思ったのですよ、耳に入ってくるお客さんの要望をあまり意識しすぎてはいけないのだなって
むしろ、それ以上の一歩先のものを提供することが大事
そうしてお店が回ってくると、お客さんは、今日は何が出てるかな~?って楽しみにして覗きに来てくれます
◆
で、思ったのですよ、政治も同じようなこと言えないかな、って
石破氏が総理大臣に就任して、早速外野からの批判が出まくってますね
就任前からすぐに解散総選挙やるなんて言っちゃったものだから、今まで期待していた人も呆れているようです
閣僚の面子もなかなかしょっぱいみたいですし
街角インタビューでは、期待できないという声がたくさん上がっていました
でも、国民は新総理大臣に何を期待するの?
言ったことを守る誠実さ?
国民の声に耳を傾けること?
もちろん、それがどうでも良いなんて思わないけど、そんなのにいちいち付き合っていたら、政治なんて進まなくなっちゃう
そんな期待に応えるよりも、むしろ国民が考えていることの1歩、10歩、100歩も先を行った政治をやれないかな?そんなことを考えるのでした
そう言えば、元安芸高田市長の石丸氏がまだ市長だった頃、市民からの要望(保育園がどうこうとか、市役所がどうこうとか)に対して、きっぱりと「できません」と言い切ったのはあっぱれでした
「目指すのは住みやすい街ではなくて、住みたい街」
将来のその都市の姿を市民と共有することが大事なんです
政策なんて後から付いてくるもの
私は自民党なんか全然支持していないし、でも石破氏が総理大臣になってしまったことは、私にはどうにもできない
石破氏が美しいかどうかも、私にはどうにもできない…┐('~`;)┌
期待するとかしないとか、そんなのどうでも良くて、今はどんな政治をやっていくのか、そこに注視していきたいと思っています
何というか、例えば国民の期待に応えて少子化対策に予算をたくさん回しても、実際には少子化を止めることは全然できてないじゃないですか
期待に応えようとしても、予算の使い方もなんだか変だし、結果はこんなものなのです
政治のプロなら、私たちが気がつかなかったような政策を出して、それが実はものすごく効果的だったなんてことにならないものですかね
そんなのがあったら評価爆上がりになるのだろうな
とは言え、私はどちらに転んでも、自民党には投票しないけどね┐('~`;)┌
本当は、ダメダメな政権なら、選挙で落としてやったら良いのに、それが機能しないのが残念
※廃案にしてほしい法案がたくさんあるけど、石破氏に代わって見直ししないかな…なんてことにはならないのだろうな
残念……
それにしても、石破氏の総理大臣就任でメディアはその話題であふれかえっています
その陰で何が行われているのか、そこにもしっかり目を遣らないといけないんですよね
※Amazonの商品ページは、これをおすすめしていると言うわけでもなく、ましてや売り付けようなんて気持ちはサラサラ無くて、ただ面白そうだからというだけのことです。