マスクドさんが、若い女の子に「良い人そう」と言われてテレていました。
マスクドさんは本当に良い人なので、きっとその女の子も正直な気持ちを素直に表現したのでしょう。
めでたし、めでたし。
しかし、生まれてこの方、良い人でもないのにずっと「良い人」と言われ続けてきた私。
ほぼ100％、「良い人」の後に「だけど…」と続きます。
似たような言葉に「優しい人」なんていうのもあります。
「優しいんだけど…」となりますね。その後に続く言葉は、やめておきます。
本当に便利な言葉です。
何も取り柄がないから、とりあえず良い人と言ってしまっているだけで、「良い人=つまらない人」、そんな風に捉えています。
もちろん、マスクドさんは本当に良い人だと思うので、取り柄がないとか、そんなことはないですよ。
◆
で、思い出したのです。
私が若い女の子に言われて、嬉しくなってテレてしまった言葉を。
スーパーで働いていた頃、数か月に一度くらいの頻度で、アルバイト全員を連れて焼き肉を食べに行っていました。
一応、名前の知れているちょっとした高級店です。
野菜などをけっこう買っていただいていたので、お店の人とは顔見知りでした。
当時の私、働いているばかりでほぼお金を使わない生活。
食べるものでさえ、お弁当やお惣菜の残り物、サンプルでいただいたけれど売るわけにはいかないもの、消費期限切れのパンなど、そんなもんばかり食べていたのです。
真っ当なものはほとんど食べることがなく、それも一日一食のドカ食いです。不健康極まりない。
そんな生活をしていると、ときどき、ドカッとお金を使いたくなるのです。
それで高級店の焼肉です。
アルバイトは女の子が圧倒的に多くて、男女合わせて10人くらいでしょうか。
そこに、世話係をお願いしたパートのおばちゃんとその子供たちなど、なんやかんやと多い時で総勢20人くらいになっていました。
何でも好きに注文して良いよと伝えてあったのですが、女の子たちは優しいですね。
高いお肉は最初に少し注文するだけで、あとは安いサイドメニューばかり注文していました。食べることよりもおしゃべりに夢中。
1万円×人数程度の出費を覚悟していたのですが、大体は片手以上両手未満で済むお会計になっていました。
支払いは誰にも見られないように、そっと済ませるようにしていましたが、たまたまそれを一人の女の子に見られてしまって。
彼女的には、そんなにお金がかかっているとは思っていなかった様子。
「こんなに高いお店でなくても、私は食べ放題のお店でもおいしくいただけますよ」
って言うから、私もちょっとカッコつけました。
「自分みたいなおっさんが、安いお店に若い女の子を連れて行くなんて、みっともなくてできないよ。食べ放題には、彼氏に連れて行ってもらいなよ。」
その瞬間、その女の子の目がまん丸になりました。
そして、ひと言つぶやきました。
「かっこいい～...」
自分でもカッコいい～って思ってしまいました(笑)。
思わず、もっと言って、って思ってしまった。(言ってないけど)
でわ、股！！ (パクリ)
