ライバルは「敵」ではなくて、同じ高みを目指す「同志」であって欲しいなと思うのです。

このところ、スポーツイベントが盛りだくさんですね。

男子のバレーボールでは、まさかのエジプト相手に敗戦。
それでもなんとか立ち直って来て、その後は3試合続けてのストレート勝利。
1戦目2戦目でもつれたので、3銭目4戦目もどうせもつれるんだろ、くらいに思っていたのです。
かなり遅れてテレビのスイッチを入れると、あと少しで試合が終わるところだったりして。
なんと、トルコ戦に至っては、最後の最後でトルコの選手がサーブをはずしてゲームセットの瞬間なのでした(笑)。

こないだは夜中に目が覚めて、何気にテレビのスイッチを入れたら、体操の世界選手権を放送していました。
男子は団体総合で金メダル。個人総合では橋本選手が金メダル。千葉選手、惜しかったね。最後の最後での大きなミスが無ければ、日本人のワンツーフィニッシュだったのかも。

体操と言えば、リオデジャネイロオリンピックがとても印象に残っています。
内村選手が金メダルを取ったのですが、競技の様子を見ていたら、なんか変なんですよね。
良い演技をして高得点をとった選手に対して、ライバルであるはずの他の国の選手たちがハイタッチで祝福していました。(ただし、それは日本と欧米の選手たちであり、中国の選手はその輪の中に入っていなかった)
その時は、それをなんだか違和感に感じていました。

競技終了後の記者会見で、金メダルの内村選手本人に対して
「採点が有利だったのではないか」
って質問があった時、隣にいた銀メダルのウクライナの選手が横から割って入って来たんです。彼は、
「採点は正当なものだった。内村選手はそれだけの演技をした」
と言って、記者の(悪意に満ちた?)質問を遮ったのです。

その時に思ったのですよ。ハイタッチのことも含めて、この体操の世界では、トップの選手たちは(ただし中国を除く)、お互いをリスペクトしているって。
ライバルは引きずりおろしてでも勝ちたい「敵」ではなくて、同じ高みを目指す「同志」なんだなって。

ライバルからたくさんのことを学んで、自分をもっと高める。
なんだかステキな風景を見たような気がしました。
これが今の日本の体操を強くしているのかな?
内村選手の功績が大きいのかなって思っています。

アジア大会では、北朝鮮のサッカーチームのラフプレーが問題になっているようですね。
あ、TBSは私の部屋のテレビでは映らなので、全く見てはいないのですけれども。
(最近、フジの映りもやや悪くなってきているので、せめてバレーボールが終わるまでは持ってくれないかなと思っています)
負けて帰れば、いろいろと困難が待っているという噂も聞くし、北朝鮮の選手達にはやや同情せざるをえない気持ちにもなりますが、それでもあんなラフプレーはいけない。
選手達の気持ちは、自分を高めるのではなくて、将軍様にいかにいい顔を見せられるかになっているような気がします。
こんなんでは、絶対に強くならない。
どんなに頑張っても、限界が見えてしまいます。
そして、日本の選手には、こういうチームには絶対に勝ってほしいのです。
勝って、スポーツって楽しいものだって見せつけて欲しい。
いや、勝負ですから負けることもあるでしょう。負けても、私たちは自分のためにこの競技をやっているんだ、この競技を愛しているんだって、見せつけて欲しい。

今日は決勝の日韓戦のようですね。
日本代表チームは、ほぼ大学生のチームで、フル代表の選手は一人もいないようです。
一方で、韓国の方は、トップの選手もそろえている。なんでも、兵役免除のためなのらしい。
韓国メディアは「日本のメディアは、日本代表チームにトップの選手がいないことを強調している。負けた時の言い訳にするためだ。」なんて報道しているらしいけど、え?って感じです。ほとんどの日本人、ほとんど興味ないでしょ?
もちろん選手たちは勝つことを目指して全力で戦うとは思うけれど、傍から見れば、国際大会でよい経験を積んでもらったらそれで良いだけのこと。
韓国はいつまでもこの調子ですね。日本を意識しすぎ。
本当は、自分たちを高めることをまず第一に考えなくっちゃいけないのに。
韓国のスポーツが最近低迷しているのは、ここが一番の原因かと思っています、
まずは、ライバルをリスペクトして、たくさんのことを学ぶ。
そして自らを高める。
余計な方向にエネルギーを使っていると、本来向けるべきところにエネルギーを向けられなくなってしまう。
昔はそれでもそこそこ勝てたかもしれないけれど、今のスポーツはどんどん進化しています。そんなことをやっていたら、限界はすぐにやってきてしまうよ。

近年の日本の一部のスポーツ、先に上げた体操もそうだけど、ラグビーなんかも強くなりましたよね。
野球も大谷君が変えたのかなって思っていますが、そういった意識改革が進んだスポーツほど、世界規模では強くなっている、そんな気がしています。

ダルビッシュ選手なんて、自分が編み出した変化球を平気で他の選手たちに教えちゃうもんね。
そうやって、競技そのもののレベルを上げることが、自分たちが強くなる一番の近道なんだよな。

昔は代理戦争なんて呼ばれて、当時フォークランド紛争でもめていた国同士がサッカーのワールドカップで対戦したイングランドvsアルゼンチンなんて、ある意味ものすごく盛り上がったこともありました。でも、傍から見れば面白いかもしれないけれど、やっぱりそういうのはスポーツの本来の姿ではないですよ。
戦争と違って、スポーツは、戦いが終われば友達になれると思っています。
敵対した関係ではなくて、互いをリスペクトして、ライバルからたくさんのことを学んで自らを高めていく。そうあって欲しいなと思っています。強くなるためには、それが一番の近道です。