レジ係のお姉さん

安い醤油でいいやと思ってカゴに入れたつもりでした。

レジでお金を払う段階で気が付いてしまった。
これ、隣に並んでいた某ブランド品でした。
値段が倍近く違う。
レジは後ろにも何人も並んでいるし、ここで引き返すのはちょっとね。

諦めました。
しばらくは贅沢なお食事になりそうです。ホホホ。

メインに利用しているスーパーでは、いつもこの人のところに並ぶというレジ係の方が二人ほどいます。お二人とも、たぶん私と同じくらいの年齢の方です、女性です。
このお二人がいない時はあきらめて、他の人のところに並ぶこともありますが、ほぼいつ行っても、このお二人のどちらかがいます。

なんでこの人たちが良いのだろう?

けっして、きれいだとかかわいいだとかいうわけでもありません。あ、けっして汚いと言っているわけではありません(笑)。
レジのスキルがものすごいわけでもありません。あ、決して下手くそというわけでもありません。
けっして気さくで親しみやすいというわけでもありません。丁寧ではありますが、むしろ淡々と作業をしているだけで、余計なことはまったく話したりもしない。

気が付きました。
差別をしないということ。

私は見た目が特異なのでしょうか?
それとも見るからにして挙動不審者なのでしょうか?
以前には警察の職質にたて続けにあうといったことも経験しています。
(最近は落ち着いています)
ずいぶんと昔のことになりますが、高校に入学したばかりの頃は、上級生とすれ違うとひそひそ声が聞こえました。
「なんだか今年の新入生は、スゴイのが入って来ちゃったね」
その人たちには、私が化け物に見えるらしい(笑)。
大学生の頃は、初めて知り合った人に大学名を伝えたら、
「どう見ても○○○大生には見えない。嘘でしょ?」
って信用してもらえないし(笑)。

私がレジに並ぶと露骨に嫌な顔をする店員さんもいます。
こないだもメインではないスーパーですが、私の方は「お願いします」と声を掛けてカゴを差し出しましたが、レジ係の若めの女性の方は、金額を伝えるのを除いて、終始むっとした顔で無言でした。
いらっしゃいませも、ありがとうございますもないの。
まだ慣れていなくて緊張しているのかなと思ったら、次のお客さんには普通に接客していました。
ま、こういう時は、私が男前すぎて緊張しているのかなと思うようにしていますが(爆)。

こういうのはもうすっかり慣れているので、どうせ大した訓練も積まずに安い時給で働いてるのだろうし、特別どう思うってことでもないけど、心の調子が悪い時は滅入ることもあります。

こういう時は、このお二人のように、客によって差別することなく、淡々と作業を進めてくれる方は本当に助かります。
かえって、親しみやすい感じでベタベタされたら、逃げ出したくなるかもしれない。

いつも無理やりでもこのお二人のどちらかに並ぶので、もしかしたら怪しい人認定されているかもしれない(笑)(笑)。

こないだはカゴにちょうど満杯になる感じで買い物をしました。
どうしても下の方に重いものが潜っています。
その時は、お二人のうちの一人、Mさんでした。
Mさんはとても丁寧に商品を扱います。
慣れているので、下の方に重いものがあっても安心して見ていられます。
しかし、その時は気が付かなかったみたい。
そばで見ていて、一番下にトマトジュースが入っているよって教えてあげたくなりました。
案の定、軽いもの、壊れやすいものでカゴがいっぱいになってから、トマトジュースが出てきてしまいました。
あたふた迷っているのが見て取れます。
たぶん、これでクレームを言う人もいるんだろうな。
例えばたまごでも、そうそう壊れたりはしないよ。

大丈夫ですよって、私がトマトジュースをカゴの上に載せちゃいました。

一瞬、その店員さんの顔がほころびました。
ありがとうございますって。
カゴに入らなかったので、サッカー台まで私が持って行くつもりでしたって。

その店員さんの笑顔を初めて見たな。
なんだか少し得をしたような気持ちになりました(笑)。