ビッグモーターの事件について、何となく思ったこと

MBAって会社の潰し方まで勉強するの?
ビッグモーターの(元)社長の息子(元副社長)の話がポロポロ出始めてきて、あら、やっぱりそういうことだったんだなと、何となく腑に落ちたというかそんな感じです。
というのも、私の身近にも似たような人がいるものですから。あ、その人はMBAなんて取得してませんけど。

私がビッグモーターの息子について何か知っているわけでもないので、その私の身近な人について書きます。

彼はものすごい劣等感を抱えています。
子供のころから、父親(会社社長)からはたくさんのことを要求されました。
そして父親は息子が自分の思うようにならなければ、彼にものすごく辛く当たっていました、
暴力なんて当たり前。ノーガードでボコボコにされたこともありました。
誰も助けてくれません。皆、その父親が怖いんです。

でも、彼は父親を尊敬していると言っていました。
その感覚が私にはさっぱりわからなかった。
まぁ、父親の機嫌が良い時は、傍から見ていても気持ち悪いくらいベタベタでしたけれど。

また、小学生の頃はいじめにあっていたようです。
とてもひどいいじめです。人間の尊厳にかかわるレベルだと思います。
でも、彼はそのいじめの首謀者に対して、いつも明るく接していました。
だから、そんなことがあったなんて、そばにいたのに私は気がつかなかった。

こんなんでは。劣等感はどんどん膨れ上がっていきます。

大人になって働き始めた彼は、上の人には気持ち悪いくらいペコペコ接していましたが、下のものには高圧的。
少しでも気に入らないことがあれば、無視。

そして、父親は肩書は社長のままで、経営の実権が息子に譲られてからは大暴走でした。
劣等感の強い人が、自分でそれに気がつかずにいきなり権力を持ってしまうと、大変なことになります。
本人は改革のつもりだったのでしょう、私にはどう見ても自分で自分の首を絞めるような、そういう方向に進んでいこうとしているように思えました。
周りから何か言われても、一切聞く耳を持たない。
執拗に言えばみるみる機嫌が悪くなり、だったら辞めればと言われてしまう。

自分の考えと違う人は、どんどん排除。
それでも、自分の考えを伝えてくれたらまだ良いものを、訊いてみようとしてもそんなことなぜわからないんだと罵倒されてしまい、無能扱い。
自分の考えが普遍的に価値のある優れたものであり、言わなくてもわかるはずだと思っている。
神にでもなったつもりなのか?

そして気に入らない人には、嫌がらせみたいなことをしてでも、辞めさせようとする。
一方で、彼のご機嫌を取ってくる人には、チヤホヤ接します。

みるみるうちに皆辞めていってしまい、最後に残ったのはほぼ家族、親類縁者。
一生懸命に働いてくれていた人ほど、早く辞めていきました。
そういった中で、父親(社長)が亡くなると、もうやってられないと言って、本業からは撤退してしまいました。
今でも会社は一応残っていますが、マンションの家賃収入と、ほぼ家族だけの小さな食堂になっています。

小さな会社なので、社旗的影響力は全くないけれど、辞めていった人にはパワハラで訴えられても仕方ないんじゃないのかなって思います。

経営者をトップにした管理職っていうのは、本当なら従業員の能力を最大限引き出してあげるのが仕事のはず。それができれば、従業員に自己重要感が育って簡単には辞めなくなるはずなんだけど、そのためにはどうしたって安心して働ける環境を作らなくてはならないはず。精神的安全性が必要なんです。
でも彼が満たそうとしていたのは、自分はすごいんだぞっていうことを周りに認めさせたい、虚栄心。

 

ビッグモーターの社員さん、皆やめちゃえば良いのにと思ったけど、その会社とビッグモーターは規模が違い過ぎるし、ビッグモーターの息子について私は何もわからないけど、たぶんこんなことなんじゃないかなって、そんな気がしています。