下手くそでもいいじゃん!カッコいいぜ、おっさん!!

作業用のBGMでNHKの「街角ピアノ」という番組をつけっぱなしにしていました。
素人の人が思い思いに弾いているピアノですので、うまい人もいればあまりお上手でない人もいる。
テキトーに聞き流していたのですが、ふと気になる音色があって、画面の方に目を遣りました。

私が気になるとしたら、普通なら、かわいいお姉さんが飛びっきりの笑顔で弾いているはず。例えばハラミちゃんのイメージなんですが...。

でも、実際にそこに映っていたのは私と同じくらいの年齢の、ちょっと小太りのおっさん。曲はサザンオールスターズの「TSUNAMI
お世辞にも、とても上手とは言えないレベル。
この日の放送の中では、一番下手だったと思う。

私はサザンオールスターズはあまり好きではないし、それなのに、うまいとは言えない不器用な音色になぜか心が惹かれました。
ただ音楽が好きで、すごく一生懸命なのはビンビン伝わってくる。
こういうピアノは、下手くそでもとても惹かれます。

この後に、ご自身の言葉でピアノについて語っていました。
一言一言発するごとにつっかえて…。

彼は吃音者でした。

カメラに向かって堂々と、吃音丸出しで話していた。

カッコいいぜ、おっさん。

子どもの頃は吃音がきっかけでいじめに遭い、働くようになってからはコミュニケーションがうまく取れなくて、何度も転職を繰り返した。
37歳でトラックの運転手になってようやく定着し、生活が安定した。
そして家族ができた。
そして今はピアノに挑戦している。
言葉で思うように表現できない分、自分の想いをピアノで表現できるようになりたいって。

短い時間だったけど、たくさん伝わってきたよ。

下手くそを連呼したこと、深く深くお詫び申し上げます。