何となく子供の教育について、ちょっと考えてしまった。子どもがいるわけでもないのに。

今までにもいろいろな子育てブログで、親が子供に勉強させるのに熱心な話はいろいろと読んできましたが、このえりんぎ (id:erieringi)さんの記事には、え?親ってそこまでやるの?って、少し衝撃を受けました。詳しいことはこちらを読んでね。

erieringi.hatenablog.com

ものすごく息子さんの教育に熱心なえりんぎさんに、これはやり過ぎだよなんて、別に批判するつもりはないのです。ただ、うちの親があまりにも私の勉強には無関心で、勉強している暇があるならお店を手伝いなさいという人だったものですから、へぇ~、こんなに違うんだと驚いたということです。

ま、えりんぎさんご自身は、お母様に目が悪くなるから本を読むことを禁止されていたそうで、これもびっくりだったわけですけど(笑)、私とはあまり変わらない環境だったのかもしれません。私が書いたブコメに、息子さんは勉強好きで、それを後押ししてあげたかったと返信をいただいて、何とまぁ良いお母さんだことと思ってしまった。

うちの親は両方とも中卒です。
けっして勉強ができなかったとか、貧しくて金銭的に余裕が無かったとか、そういうことでもない。
親戚とか父の友人とかから聞く話では、父はむしろ優等生だったみたいで、勉強もスポーツもけっこうできたらしい。毎日、新聞(特に日経)を端から端まで読んでいて、文章を読むことが苦手ということでもない。母だって、難しい漢字でも読んだり書いたり普通にしていたし、計算だって何の支障もなくできます。
それが当たり前の中で私も生きてきましたが、大人になってからこんな簡単な漢字が読めない、こんな簡単な計算ができないなんていう人に出会うと、驚いたものです。
それならばなぜ中学までしか出てなかったというと、彼らの生まれて生きてきた環境では、それが普通だった、ただそれだけのことなんです。

私が生まれるずーっと前の話ですが、祖父は羽田で海苔の養殖をやっていて、父もやはり中学を卒業してすぐにその道に入りました。羽田空港の拡張で海苔ができなくなり、その保証金を元に商売を始めました。もっのすごく忙しかったのです。
そんなんだから、働くことが尊くて、勉強している暇があるなら働け、そういう発想になっちゃうんだな。

因みに当時のことをよく知る人に話を聞くと、多くの海苔漁師さんは、その補償金を遊びでぱーっと使い果たしてしまったそうですね。父はその点、強かでした。

で、子供たちの勉強に無頓着なくせに、家庭教師をつけられたんですよ。
これにしても、ただの見栄っ張りだったような気がします。
学生のアルバイトとかではなくて、お茶の水出身のプロの家庭教師でした。兄弟3人分とうこともありますが、けっこうな金額を払っていたような記憶があります。
この先生は父の行きつけのお寿司屋さんの息子さんたちのところにきていたのですが、たぶんお寿司屋さんでその話で盛り上がって、それじゃうちにも来てもらうか、ってそういうことになっちゃったんだと思います。

私は嫌で嫌で逃げ回っていたんですけどね。
学校から帰ってくる時間にはその先生は来ていたので、いつも玄関をそーっと開けて、ランドセルだけ置いて、遊びに行っちゃいました。
そんなことばかりしていると、ある時、いつものように玄関を開けたら、先生が仁王立ちで待ち構えていて、○○くん、今日は逃がさないぞ~って(笑)。

その先生はいつもニコニコしていて、バイタリティーがあって、とても良い先生だったし、私も勉強が嫌というわけでもなくて、たぶん、じっとそこにいるのがきつかったのだろうと思います。特にその先生とどう付き合っていけばよいのか、頭が混乱していたような気がします。

捕まってしまった時は、何かしらの勉強をするんですけれど、私は正直なところ、学校の勉強がつまらなかった。なんでこんな勉強をしなければならないの?って思っていました。だって、簡単すぎるんですもの。中学生くらいまでは、暗記を除いて、学校で教師の話を聞いていれば、だいたいできちゃった。それがフツーだと思っていたんですけど、でも、周りの同級生は小学校の高学年から中学生くらいになると、み~んな塾通い。こんな簡単なことを学ぶのに、なんで塾なんて行くの?って本気で思っていました。自分は知らない人の中に入っていくのがどうしてもダメだったので、塾に通うなんて発想は全く無かったな。次第に遊ぶ人が減って来て、つまらなかった(笑)。

話が逸れてきてしまいましたが、そういう私を見て、その先生は私に兄と同じ勉強をさせたんですよ。でも、兄よりも私の方ができちゃった。
兄だって決して勉強ができなかったわけではなくて、先生は母にこう言ったそうです。
○○君(兄)と✖✖ちゃん(妹)は十分普通の学力レベルはあって問題ないです。でも△△ちゃん(私)はちょっと…。ん~私立の中学校を受験させてください、ですって。

何となく自分で、知らない世界へのワクワクがちょっぴりあって、でも私立の中学校に行ってしまったら、仲の良かった同級生とはお別れになっちゃうんだなと思ってみたり、男子校だったら嫌だなと思ってみたり(笑)。

でも、その先生、私が小学校を卒業する前に、旦那さんの転勤で大阪に引っ越してしまい、それに伴って、私の中学受験の話もいつの間にか無くなっていました。
仮に私が望んでも、父や母は、それに反対というよりも、どうしたらよいのか分からずにそのまま立ち消えになってしまったと思います。

結局私は、近所の公立の中学校に進学しました。
私は無頓着でしたが、周りは皆、他の人の成績が気になるようで、特別知りたくなくても、他の同級生の成績が目に入って来るわけです。で、いつも思ったのは、何でこんな簡単なのができないの?
因みに、私は吃音でちょっといじめられそうになっていましたが、入学して最初の試験で、担任が私の成績をばらしてしまい、それ以来、パタッといじめがなくなりました。
周りの私を見る目が急に変わったんです。なんか、勉強できるってスゴイと思った。バカバカしいけど。

それで、もしも家庭教師の先生が大阪に引っ越すことが無ければ、私は中学を受験したのかな?そして、私立中学に進学して、み~んな勉強ができる人たちばかりの環境に入ったら、私はどう変わっていたのかな?そんなことを考えてしまうのでした。

やっぱり環境は大切ですよね。学校も家庭も。親は子供がこれから先どのような人生を送っていくのか、未来をイメージして、子供にアプローチして欲しいものです。

 

矢沢永吉がこんなドラマに出ていたなんてびっくり。