お向かいのお宅の解体に伴って、いろいろと寂しい気持ちになっています

お向かいのお宅の解体工事が始まった日

まずは電気関係(電線を取り外すなど)と、産廃の車が来て中のものを外に撤去していたんです

ちょうど私がお昼に家に戻った時には、向かいのお宅では、2階の窓の下に産廃車を横付けして、窓からポンポンと放り投げていました

トイレに入ったら、窓からその様子がよく見えました

それで、しばらく観察していたんです

最初は紙のものをポンポン投げていました

ご主人(すでに亡くなっています)は学校の先生だったのですが、たぶんそのだんなさんのものと思われる分厚くて難しそうな本がポンポン投げ入れられていました

それだけでもとても切ない気持ちになってしまったというのに…

その難しそうな本に続いて、かわいい表紙のノートらしいもの、絵本みたいなもの、そういったものも投げ入れられていて…

おばさんは子供たちのものを大切にしまっていたんだな

長男、長女、次男の3人の子供は皆私よりも年上、その3人の子供がまだ小さかった頃のものを捨てずにしまっていたんだな、きっと

二人の息子さんは、心配だから一緒に住もうと言っていたみたいです

でも、おばさんは、おじさんとの思い出がいっぱい詰まった家から出ることを断固拒否していたんです

私の目が黒いうちは、この家からは絶対に出ないって

最後の方は自力だけでは立てなくなっていましたが、それでも歩行器を使ったり、家の中では手すりに捕まって、デイサービスを利用しながら、一人暮らしで何とか家事もやっていたんですよ

娘さんはわりと近いところに住んでいたので、時々様子を見に来ていました

本当にギリギリまでがんばったのですが、最後は息子さんの提案を受け入れたみたいです

本当にお疲れさまでしたという気持ち(おばさんはまだ生きてますよ)

おじさんは学校の先生でした

私がお店のお手伝いをしている時でも、学校の登下校の時でも、私を見つけると

お~、がんばってるな~

って、必ず声をかけてくれました

ひねくれていた私は、表面的にはニコニコしながらも、内心は別にがんばっているわけじゃね~し~、なんて思っていたものです

でもね、毎日毎日、何度も繰り返し言ってもらえると、なんだかがんばろうって気持ちになってくるんですよ、不思議なものです

先生はこうでなくっちゃね

おばさんは専業主婦

おしゃべり好きで、私なんかでも、○○ちゃん(←私の名前)って声かけてくれて、おしゃべりするんですよ

娘さんはとてもきれいな人

確か幼稚園の先生だったのかな?

若い頃はよくピアノの練習をするのが聞こえてきました(あまりうまくなかったけどね、笑)

2人の息子さん

おばさんは、うちのはお坊っちゃまだから~なんてよく言っていました

(おとなしくてのんびりという意味です)

偏差値50くらいの、フツーの都立高校のはずなんだけど、どういうわけか、超難関大学を出てもなかなか就けないような、それを目指す人にはとても羨ましがられそうな職業に就いています

あの高校から、東大や京大に行ったとはどうしても考えられないし

初めは、研究職とか技術職とかではなくて、総務などの事務職なのかなと思ったりもしましたが、事務職だったら連携しているドイツの機関に赴任したりはしないですよね(今は日本に戻ってきています)

息子さんがドイツにいた頃、ドイツに送ってあげるんだって、おばさんからちくわぶを箱で注文もらったりしてましたよ笑

(1箱25本入りでした、真空パックで日持ちはしましたけど)

息子さんはおでんが大好きなんだけど、ドイツでは日本の食材はわりと何でも揃っても、どうしてもちくわぶだけは手に入らないのですって笑

あのおとなしい息子さんは、がんばって夢を叶えたんだな

もしかしたらおじさんに

お~、がんばってるな~

って繰り返し言われ続けてがんばったんだな、そう思うと、なんだかんだじんわりします

うちと比べてはいけないとわかっているし、私は私の今までの境遇を受け入れていますけれど、それでもこの家族を思い浮かべると、やっぱりいいな~って思いますよ

あ、別に嫉妬しているわけではなくて、もしも家族を持つとしたら、自分の一つの理想というか、そういう感じです

こういう家族が増えたら良いなって思います

息子さんも娘さんも、それぞれお家を持っていますし、建て替わった家には別の人が住むんだろうな

この家族の人達と縁が切れてしまうと思うと、ちょっぴり寂しい気持ちになっています

猫のだんなは、いなくなりませんように…

Amazonの商品ページは、これをおすすめしていると言うわけでもなく、ましてや売り付けようなんて気持ちはサラサラ無くて、ただ面白そうだからというだけのことです。