おぉ!頑張ってるな!

もうずいぶんと昔になりますが、私の高校の同級生が宇宙開発の方へ進みたいと、東大に進学しました。
理一から学部・学科に振り分けられる頃に、どうなったか訊いてみたら、航空工学科を志望している連中はものすごい人ばかりで、自分なんて足元にも及ばないって言ってました。結局彼は、銀行に就職しました。
彼は、京大は工学部機械学科を受験しています。航空工学科ではない。
京大の航空工学科って、東大の理三と同じくらい難しい。
つまりは、東大であろうと、京大であろうと、宇宙開発に携わっている人って、ほぼ全員、変態か変人だということです(笑)。

私はこんな風に思っています。

・変態

エネルギーを使っても使っても、次々にまたエネルギーがあふれ出てくる人。
こういう人って、どんなに苦しくても(傍から見れば苦しそうに見えても)、それを簡単にはねのけるんですよね。
例えば、野球の大谷君とか、フィギュアの羽生君とかがそれにあたると思います。彼らはどんなにきつい練習をしても、ぜんぜん苦にならない。むしろそれが快感に感じているはずです。
そうそう、こないだの米田さんもこの変態にあたると思います。

tohost3250303.hatenablog.com

・変人

エネルギーは変態の人ほどたくさんは持っていないが、限られたエネルギーを、一点集中して注ぎ込むことができる人。
こういう人は、ある特定分野に関しては、ものすごい能力を発揮するが、その反面、こんな簡単なこともできないの?っていうことがいろいろとある。

昔の日本人の天才と言われた人たちって、この変人が多かったような気がしますが、最近は変態の人も増えてきたような気がします。
その違いは、簡単に言ってしまえば、変態の人は人付き合いまで上手です。
大谷君や羽生君のメディア対応、素晴らしいですよね。これは変態の証です(笑)。

そしてこないだのロケットの失敗。
これについて税金の無駄だなんて言っている人がいるんですって。
身の程知らずが何を言ってるんだか。
ももはな (id:however-down)さんもお怒りでしたね。

however-down.hatenablog.com

先日、日本のロケット打ち上げが「失敗」して ( ̄0 ̄) ニュースやSNSで「日本のロケットは大丈夫?」「税金を無駄にした!」とか言う偉そうな意見が多数あるけど…… 本当に失敗なのかな? ( °° ;) なんかの自己啓発本みたいなんだけど、 ロケットの自爆機構が正常に働いた ディレクターが躊躇する事なく自爆を実行出来た……この二つ ロケット打ち上げ失敗による地上への被害を減らすって最重要の機能が正常に働く事が確認されたでしょ? もちろん事故原因の特定と対策をしっかりやって次回の打ち上げに生かすのは当たり前 一号機なんだからそれで充分だって。

“鬼の首”を取る輩へ物申す - 死体を愛する小娘社長の日記

こんな風に失敗を税金の無駄と言う人って、宇宙開発に携わっている人が低能だと言いたいのか、それとも宇宙開発自体が無駄だと思っているのか?
どちらにしてもバカバカしい。
宇宙開発に携わっている人がどんな人なのかというのは、上の方に書いた通りですし、開発そのものが無駄だというなら、日本はどんどん世界から取り残されて成り下がっていくことになるよ。

まぁ、自分の不幸に周りを巻き込もうとするかわいそうな人なんだろうな、きっと。
くれぐれもそんなことでクレームの電話をかけたりしないでねって思うばかりです。
そんなことに労力を費やすことになってしまえば、それこそ税金の無駄ですから。

そうそう、東大の池谷教授が、土曜夜の安住さんの番組で軽く言及していましたね。
ロケットの技術は、少し古いものしか使っていない。だから、原因の究明もできるはずだと。しっかり究明して、次に備えて欲しいですって。
やっぱりそう考えるのが「健全」だと思います。
古い技術=十分に安全性が確認されている信頼できる技術、ということです。
そりゃそうですよね、かなりの危険が伴うものですしね。
そういう意味では、自爆させるという判断をして、それがちゃんと作動した、それだけでも収穫があったと言えます。

うちのご近所の息子さん(幼なじみ)に、その宇宙開発の仕事をしている方がいます。
息子さんと言っても、私よりも少し年上ですけど。
初めて聞いた時は、え?まさかあの人が!って思いましたけど、相模原に住んでいたり、ドイツに住んでいたりしていたようなので、えー、本当なんだと思いました。
相模原はJAXAの施設がありますし、ドイツの宇宙局はJAXAと提携しています。

私がスーパーに勤めていた頃、おばさん(その人のお母様)がちくわぶを箱で欲しいって来たのですよ。1箱で30本入り。そんなにどうするの?(もしかして認知症になっっちゃった?)って心配になって訊いてみたんです。
ドイツに送るのだって。

○○(息子さんの名前)がおでんが好きでねぇ、ドイツは日本の食材はほとんど手に入るけど、ちくわぶだけはどこにも売ってないって言うのよぉ。
○○はちくわぶが一番好きなんだよねぇ。だから送ってあげるの。

フフフ

その息子さん、大学がどこなのかは知らないけど、高校はごく普通の都立高校なんですよね。偏差値で50ちょっとくらい。私の妹もそこの高校出身なので、どんな高校かはだいたいわかっているつもりです。この高校から宇宙開発に行けるんだと、驚いていました。

おじさん(お父様)はすでに亡くなっていますが、学校の先生でした。私なんかにも、会えば気さくに声をかけてくれました。

おぉ~、頑張ってるな!

って、いつもこんな感じ。

初めはね、顔は笑顔を作って挨拶を返しても、私の心の中は「別に頑張ってねえし~」(笑)。ちょっと斜にかまえていました。親や周りの大人ににそんな風に声をかけてもらったことなんかないから、ものすごい違和感だったのです。

でもねぇ~、いつもいつもそうやって声をかけてもらうと、何だか気持ち良くなってきます。そして自分は頑張ってるのかなぁ?頑張ってみようかなって、そういう気持ちになっていきます。

もしかして○○君は、いつもおじさんにそんな風に声をかけられて育ったのかな?

私は頑張るって言葉が大嫌いだったけど、もしかしてこの言葉にはものすごい力があるのかも。

仕事がきつくてどうしようもなかった頃、大好きだった女の子に頑張って!て言ってもらったのに、思わず「これ以上、頑張れないよ」と言ってしまった私。

それ以来、その子からの頑張って!が聞けなくなってしまった。ものすごい後悔でした...(笑)。

本当は死ぬまでずっと頑張って!って言って欲しかったな(笑)。