大切な思い出が、また一つ欠けてしまったような気持ちです

少し前に書いたこの記事。

tohost3250303.hatenablog.com

にゃー将軍(id:stoolpigeonn173 )さんから、こんなブコメをいただいていました。

私の気分をアゲアゲにする曲、3選 - 通りすがりのものですが

ヘビメタってあんまり聞いたことないんですけど、メンタルが弱ってるときに聞いてみようかな😆 貼られている動画のギターテクニックすごいですね!

2023/06/03 17:59

こんなコメントをいただいてしまうと、私の中のギター小僧が目覚めてしまうというものです。
私がこの手の音楽に夢中だった高校生の頃、次から次へとものすごいギタリストが現れ、どいつもこいつも、俺の方がすごいぜ!ってマウントしているように次から次へと新しい奏法を編み出したり、速弾きの速さを競ってみたり、そんな時代でした。
こないだの記事に書いたイングウェイ・マルムスティーンは、むしろ正統派というか、ものすごい正確で速いピッキングが持ち味のスーパーギタリスト。
昔、エリック・クラプトンが「スローハンド」と言われている時代がありました。
それはものすごい速弾きをするのに、手の動きは優雅でゆっくりに見えるというものでした。(諸説あります)


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しかし、イングウェイが現れた時、ギター雑誌に書いてあったキャッチ・コピーに笑わせていただきました。

エリック・クラプトンが本当の意味でのスローハンドになってしまった」

エリック・クラプトンはもはや速弾きの名手とは言えなくなりました。
それだけ、イングウェイの速弾きはすごかったし、速いだけでなく正確だったのでした。

でも、私が一番好きだったのは、実はナイト・レンジャーのジェフ・ワトソン。
子どもの頃から本格的なピアノのレッスンを受けていたジェフ・ワトソンは、ギターをピアノを弾くように弾いてみたい、そして編み出したエイトフィンガー。


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ジェフ・ワトソンは、ギターテクだけでなく、容姿も含めて、ハードロック系のギタリストとして私の理想でした。
スラっと細身の身体。なんたってパツ金(笑)。

ナイト・レンジャーのギターはツインリードでした。
もう一人、ブラッド・ギルスというこれまたスーパーギタリストがいました。
世間一般の評判では、ブラッド・ギルスの方が評価は高かったかもしれません。

ブラッド・ギルスは、大御所バンド、オジー・オズボーンのギタリスト、ランディ・ローズが飛行機事故で亡くなって、急遽、代役として呼ばれました。
(ランディ・ローズは若き天才。泣きのギターで注目を浴びていたスーパーギタリストです。)

ナイト・レンジャーが注目されるようになったのも、このことがきっかけでした。
彼はそのままオジー・オズボーンに残らないかと声をかけられましたが、ナイト・レンジャーを選びました。

ここまできて、やっと本題に入ります。

ジェフ・ワトソンとブラッド・ギルス、全くスタイルが違うんです。
ジェフはエイトフィンガーも含めて、直線的なフレーズが得意。
一方で、ブラッドはちょっと変化を加えた、トリッキーなフレーズが得意。
何気にレコードを聴いていても、聴き分けられるくらい違います。

高校生の時からずーっと思っていたんですけど、ジェフはまるで津田恒美、ブラッドはまるで北別府学
なんのこっちゃ分からんという人もおられるかと思います。
津田も北別府も、当時、ちょうど活躍していたプロ野球選手、広島東洋カープのピッチャーです。

私は広島ファンというわけではないのですが、この二人のピッチャーにはどうしても注目していました。
私が一番好きだったピッチャーは、巨人の江川卓でしたが、彼と同じくらいこの二人のピッチングは見ていてワクワクしました。

津田恒美はとにかく真っすぐ。直球をただ全力で投げ込むスタイル。まるでジェフ・ワトソン(笑)。
誰もが彼の直球の威力を認めるものでした。
でも、津田本人は自信が無かった。
高校生の時に、ピンチでキャッチャーが自信を持って直球を要求したのに、それに首を振って変化球を投げて打たれ、負けてしまった。
それ以来、彼は帽子のつばの裏に「弱気は最大の敵」と書いていたそうですね。
強気で直球を投げ続ける。それが彼の投球スタイルになっていきました。
まだ現役の時に脳腫瘍を患って、若くして逝ってしまった。
今思い出しても、とても悲しいです。

一方で、北別府学
彼の投球スタイルは、緩急織り交ぜて、アウトローへのボール1個分、いや半個分と言っても良いくらいの精度の高いコントロール。まるでブラッド・ギルス(笑)。
確か、直球のスピードは130㎞/hくらいでした。
今のプロ野球では、エーズ級のピッチャーなら150㎞/hは当たり前、160㎞/h越えだって珍しくないですが、この130㎞/hの直球でエースを張れるのってすごくないですか?
対戦相手のバッターとの駆け引きも含めて、テレビにくぎ付けになる面白いピッチングでした。
パワーベースボールのアメリカで、彼がどのくらい通用するか見てみたかったな。

その北別府学さんも亡くなってしまった。白血病だったようですね。

何というか、私の中にある憧れというか、楽しかった思い出が、少しずつ欠けていくような、そんな気持ちです。
とても悲しい。

本当はハードロック系だけでなく、いろいろなジャンルの自分の好きだったギタリストについて書きたいと思って温めてきたネタでした。
津田・北別府については、ナイト・レンジャーネタに少し添えるくらいのつもりだったのですが、ギタリストからのお亡くなりになった北別府学さんへとシフトしてみました。
お気に入りギタリストについては、またいつか書きたいと思います。
いや、もういいかな?
気が向いたら書きます(笑)。