電車で元気そうな人に席を譲りたくなったという話

少し前までは、電車で座ることができませんでした。よっぽど空きすぎて、座らないのが不自然なくらいでないと、いつも立っていました。
今でも苦手で、誰かが座っている隣りに座るのはとても抵抗があります。私が座っている隣りに誰かが座るのはそれほど気にならないのですが、自分が誰かの隣に座るのはできないのです。
疲れ切っているなど、どうしても座りたい時は、何とか始発の駅から乗るようにしています。
一度座ってしまえば、後は固まっていれば良いので楽です。立っていると、乗る人降りる人の流れに気を配ったり、なかなか落ち着かないのですが、座ってしまえばそんなこと気にしなくて済みます。

あとは席を譲らなければならないような状況になった時ですねぇ。

座りたいがために乗り換えたり、1本遅らせたりした時は、できれば譲りたくないなぁと思うこともありますが、なかなかそういうわけにもいかないこともありますし。

お年寄りや体に不自由がある人には譲りましょうというのは、まぁ当たり前のことなのでしょうけど、個人的には少し意味が違うのではないかなと思っています。

一度電車が動き出してしまうと、自由に出入りできない。
あの狭い空間の中にたくさんの人が閉じ込められていると考えると、そこに乗っている人たちは電車が次の駅に安全に停車するまでの束の間、運命共同体みたいなところがあると思うのです。
事故でも起きれば、助け合わなくてはならないだろうし、何か犯罪が起きれば、協力して立ち向かわなければならない。
そこまでのことでなくても、急ブレーキがかかれば、身体の弱い人は吹っ飛んでしまうかも知れない。

以前に母が電車で席を譲ってもらった時、母はそれを断ったんですね。カッコつけて(笑)。
私は母に強く言いましたよ、好意はちゃんと受けて座りなさいと。
母はもういい歳ですし、何かあっても素早く動くことはできません。
母が通路でうろうろしていると、周りの人の邪魔になるのです。急ブレーキがかかれば吹っ飛んでしまいそうですし、そうでなくても、乗り降りする人の邪魔になるのです。
それなら目的地に着くまで、座ってもらった方がよっぽど迷惑にならない。
お年寄りだけではありません。
病気の人、ケガをしている人、小さな子供、妊婦さん、障害を持った人、などなどまだまだいそうです。疲れすぎて立っているのが辛い人もです。←これは若い人でも。

席を譲るのは、労わるのではなくて、邪魔だから座っていてくれということなのかもしれません。少なくとも、うちの母の場合は...。

基本的には上に書いた通りなのですが、ときどきそうでない場合に、席を譲りたくなる時があります。自分が座っているより、その人が座っている方が相応しいという感じです。

たぶんお土産らしき荷物をたくさん抱えた、東京観光であろう、私よりも少し年上(まだお年寄りとは言えないくらい)のとても仲の良い夫婦。
たぶん、女性の先輩たちの荷物をたくさん持って、その先輩たちは座れたのに、一人だけ荷物を抱えたまま座れなかった若い男の子。
などなど。実際に譲ったこともありますし。

今日も譲ってあげたいなと思うことがありました。
ハッと気が付いたら、別々に座ってしまっていたので、結局声を掛けられませんでしたが。

2022/5/21

今日は雨が降ったり止んだり。雨雲レーダーを見るとこれから強く降りそうな予感、
歩くか、それとも電車に乗るか迷っていると、いきなり雨が強くなりました、
これはすぐにでも電車に乗るしかない。幸いにも、私の家の近所はこの後雨が夜まで降らないようだったので、雨が降っている間だけでもと、電車に乗ることにしたのです。

そういう天気の時って、考えることは皆同じですね。JR中央線はものすごい混雑でした。
この人の多さはちょっと嫌だなと思いましたし、とても疲れていたので、何とか座りたい。
三鷹駅で降りて総武線に乗ることにしました。総武線三鷹駅始発なので、ここから乗ればほぼ座れます。

無事座れたのですが、電車が進むにつれ、混雑してきました。
とりあえず、席を譲らなければならないような人はいない様子。

その時、2人の女の子が私の前に立ちました。高校生にしてはちょっと幼過ぎる感じ。制服を着ていましたが、たぶん中学生かな。
私の隣はあいています。でも、どちらも座りませんでした。
二人で楽しそうにおしゃべりしていました。
男の子だったら、おまいらちょっと黙ってろと言いたくなりますが、女性の節度を持ったおしゃべりは、とても好きです。平和だなぁと感じます。
小学生や中学生にとどまらず、これは私の好みということになってしまうのかも知れませんが、女性の少し高い声が響くというのは、とても落ち着きます。低い声は怖いのです(笑)。

ある駅に着いた時、乗客がたくさん降りて、いくつかの席があきました。
その女の子たちは、別々の場所に座りました。一人は私の隣に座りました。その子たちは、一人しか座れないなら、二人とも立っていようということだったようです。
その時に、あ、譲ってあげれば良かった。と、ここで気が付いたのでした。

私の隣に座った女の子は、スマホを取り出して見ていました。
もしも私が、もう一人の女の子に席を譲ることができたら、あの楽しそうなおしゃべりは続いたんだろうな。なんかもったいないことをした気持ちです。

私は新宿駅で降りました。私以外にもたくさんの乗客が降りました。
その二人の女の子は、隣同士で座って、また楽しそうにおしゃべりしていました。

 

もしも私に娘がいたら、きっと思いっきり溺愛していたような気がします...(笑)。