糸村語録④~②③はまさかのなし

ドラマ遺留捜査で、主演の糸村君(上川隆也)が発するセリフ「~と誰かが言っていました」がおかしくて、それを紹介しようと始めたのですが、2回目と3回目の放送分がまさかのなし。
もしかして、今シリーズはこの企画をやめてしまったのか、それともネタが尽きたのか。心配しましたよ~。
とりあえず、今週はありましたので、ここで報告いたします。

今週の放送はこちらです。

tver.jp

 

早速ですが、今週のセリフはこちらです。

かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻めと誰かが言ってました。

心当たりがある人も多いのではないでしょうか。

ちなみに、今週の「私に3分下さい」は5分9秒でした。

スーパーで働いていた時のことです。
小さいお店だったので、いくつかの部門を掛け持ちで担当することになります。
その一つがパンでした。

その頃の私は、ただでさえギリギリで仕事をしていました。
睡眠時間も満足にとれず、何かイレギュラーなことでもあれば、3日間一睡もせずに働くようなこともありました、

そんな中で、某パンメーカーPの営業Sが、やたらとミスをしまくる。
ひどい時は、お彼岸に大量に注文したおはぎが1パックさえも来なかったことがあります。数百パック注文していたものです。
それまでは毎年、Y社からとって売っていたのですが、Sたってのお願いで、どうしても今回はうちからお願いしますということだったはず。
しかも事前注文だけで、当日となっては、もう手配のしようがない。すみませんの一言で終わりです。
例えば、某業界ナンバーワンメーカーYだったら、そういった場合、工場の余分に作ってある分をかき集めてきてくれたり、それでも足りなければ、大量に出荷しているお店から少しずつ譲ってもらってかき集めてきてくれたりします。
でも、P社のSの場合は、それは無し。ただヘラヘラとすみませんでお終い。なんかもう力が抜けました。それ以来、際物はSには頼めなくなりました。

そういった大きなミスだけでなく、日常的に細かなミスを繰り返していました。
朝なると、頻繁に電話がかかってきました。
他のお店で、間違えて大量に送り込んでしまった。何とかならないかというもの。
例えば20個の注文を200個で受けてしまったとかいうようなこと。

どうしたってミスは起こるものですし、できるだけ協力してあげたいという気持ちはありました。でも、パンは基本的にその日のうちに売り切ってしまうもの。イレギュラーなことがあると、急遽売り場を変更しなければなりません。だからと言って、他の部門と掛け持ちでやっているので、そうパンばかりをかまっていられないし。
毎日のようにパニックになっていました。

件のSは、だんだん慣れてくると、電話をかけてくることもだんだんと減ってきました。つまり、何の連絡もなしに、いきなり注文していないものが納品されるのです。
こちらからどういうことなのか電話して、帰ってくる返事が、軽い調子で、またミスっちゃいました~、よろしくお願いします~、といった調子。
その度に振り回されて、こちらはヘロヘロです。

あるとき、3本しか注文してないバケットが、33本納品されてしまったことがあり、その時は一瞬にしてブチ切れてしまいました。もう何も考える余裕がなくなっていました。営業所に電話して、電話に出た女性の事務員の方に怒鳴りつけてしまいました。
「Sはいるか!Sを出せ!」って。
後から冷静になった時に、何てことをしてしまったのだろうと、思いっきり自己嫌悪でした。電話に出た女性の方は、何も悪くないのに。

しかも、後からわかったのですが、そのバケット30本分は、私のミスだったのです。
やっちまった。
発注の端末に入力するときに、3と入力するところを、33と入力していたのでした。
Sのお陰で睡眠時間が削られ、発注の業務をしている時に、半分寝てしまっていたようです。
いつもならクレームの電話をする時は、自分にミスがなかったか確認してからかけるのですが、その時はもうそんな余裕なかったな。言い訳にしかならないけど。
そして、私のミスだったけれども、Sに対して申し訳ないという気持ちにはなれませんでした。
もちろん、電話の女性の方には本当に申し訳ないという気持ちではありましたが。

その後、そのSに会った時、彼はいつものようにヘラヘラと笑いながら、大丈夫ですよ、ギブアンドテイクですよって言い放ちました。
こちらが彼のためにしてきたことの重さは、私が思っている以上に彼にとってはとても軽かったみたいです。

それまで繰り返し彼のミスをカバーしてきたわけですが、最後の私のうっかりミスで、その蓄積は全てクリアしてしまったのだなと思った時、もう、彼の力になるのはやめようと思いました。
もう、彼のために無理はしない、イレギュラーなお願いは断る、そうしていたら、いつの間にかSは、臨店することもなくなってしまいました。
しばらくして、何の連絡もなく、担当の営業も変わったみたいです。
次に来た営業の人は、きっちりと堅実な仕事をしてくれる人で良かった。

以上、自分がやってあげたことって、自分で思っている以上に、相手には軽く思われているんだなという話でした。