守るということ

コロナワクチンの開発でノーベル生理学・医学賞を受賞したカタリン・カリコ氏について、個人的には、このコロナワクチンには、安全性の問題など、まだ評価をするのは時期尚早だと思っています。これからどんな問題が表出してくるか、まだまだ分からない。
だからと言って、カリコ氏の研究に意味がないとかそういうことにはならない。
コロナワクチン開発に利用されたことで注目を浴びたわけですが、そうでなくても、人類にとって、とても重要な研究であることにはたぶん間違いないのでしょう。
その辺のことは詳しくないので、勝手なことは言えない。

そのカリコ氏が、テレビのインタビューで受賞の秘訣は?みたいなことを質問されて、「これは学生たちにはいつも言ってるんですけど、支えてくれる夫を探しなさい。」と答えていたのが気になりました。

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母国ハンガリーで研究者としての活動に行き詰ってしまったカリコ氏は、エンジニアの夫とまだ2歳の娘と一緒にアメリカに渡るわけですが、その時の夫の献身ぶりがすごかった。

アメリカに渡ったところで生活費さえままならない。カリコ氏の夫はすぐにでも収入を得るため、そして育児のため、カリコ氏が研究に集中できるようにと深夜の肉体労働で家計を支えていたということです。

家族を守るってこういうことなのかなって、夫さんカッコよすぎる。

なんだか見ていてモヤモヤして、最初の数回だけで見るのをやめてしまった「こっち向いてよ向井くん」というドラマ。
主人公の男性は結婚になんだかとても夢を見ていて、男の俺が女を守ってやるくらいに思っている。
そして居酒屋で知り合った女性に、今どき男が女を守るなんてと一刀両断されてしまう。

今どき、そう簡単に命を狙われるとか襲われるなんてことはないというのがその女性の言い分なんだけど、確かにそうなんでしょう。

どっちもどっち。
男の考え方も、女の価値観も、なんだかモヤモヤして、そこから見るのが辛くなってしまった。

私個人としては、男として生まれてきた以上、いざとなったら体を張ってでも守らなければいけないものはあるとは思います。
そういう気概はあった方が良いに決まってる。
でも確かに今どき襲われるなんてことは滅多にないし、そんなことは、結婚するにあたっての大義にはならないよな。
たぶん、男の方が女性に守られている部分の方が大きいとも思うし。

女性の言い分にしても、なんだか素直に受け入れられない。
私は男が女を守るということは、昔のような暴力から守るということだけではないのではないかと思っています。

愛するということはその人を自由にさせてあげること

誰かが言ってたな。もしかしたら何かのドラマのセリフだったのかもしれないけれど、よく憶えていない。

これこそが「守ること」なのではないかなと、そんなことをカリコ氏の夫の話を聞いて考えていたのでした。