大好きだったウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)。
郷さんはいつもちょっと寂し気で、でもとても優しいお兄さん。
もうウルトラマンは帰ってこないんだな。
子供の頃の私は、空を見上げては怪獣が襲ってこないか怖くなって、でもウルトラマンが必ず助けに来てくれるよねって、そう信じていました。
まだ小学校に上がる前の話ですよ(笑)。かわいいものです。
でももうウルトラマンは帰ってこない。
ウルトラマンの後の団時朗さんは、どういうわけか悪役ばっかり。
傲慢会社経営者とか、わがままなくそじじいとか、時代劇なら悪徳商人とかそれにたかる悪徳代官とか。
少年ねぼけねこはとても寂しかったのである。
もっとも団さんはテレビよりも舞台の方で活躍していたようですけれど、何年前になるのかな?NHK-BSでやっていた、常盤貴子さん主演の「京都人の密かな愉しみ」というドラマで、常盤さん演じる老舗和菓子店の若女将・三八子さんに憧れてしまうイギリス人大学教授を演じました。
映画とかドラマとかって、主演の女優さんがきれいに見えれば、それで成功だと思っています。
このドラマの常盤さんが本当にきれいで、それでいてかわいくて、団さんが演じた大学教授に思いっきり共感しながら観たものです。
団さんは、今までの悪役ばっかりのイメージを払拭するようなコミカルな演技。
ウルトラマンのときのカッコ良さとか優しさとか、それとはちょっと違うけれど、あの悪役ばかりだった頃の寂しかった気持ちを埋めてくれるようでした。
もっと観たかったな。
自分としては、ウルトラマンと大学の先生、この二つで十分。
でも、どうしても「この次」を期待していたんですよね。
叶う前に逝ってしまった。
あぁ、もうウルトラマンは帰ってこないんだな。
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団さんがなぜ団時朗という名前になったのかは知りませんが、少なくとも本名で出れなかったのは、その本名が漢字は違えども「むらたひでお」だったことなんだろうなと思っています。
「王将」
父が大好きだった歌です。
なんだか因縁を感じます。