安倍さんの事件について、気落ちが複雑すぎて、書くことによって自分の気持ちを整理したいと思いました。

あの日は夕方まで外出していて、テレビのニュースを見ることもなかったので、事件のことを知ったのは、安倍さんが亡くなったのを知ったのと、ほぼ同時でした。

え?何があったのだろう?

一気に心がざわざわしてきました。

その時に私が勝手に思い浮かんだ犯人像は、自分の人生がうまくいかないのを、全て他人のせいにする人。人生に行き詰って、もう失うものは何もない。たとえ重大な事件を起こして死刑となっても、それを全く恐れないような人。

私はどちらかと言えば、そちら側の人間だという自覚があるので、安倍さんが殺されたことはもちろん大きなショックでしたが、それ以上にそのことが自分に重くのしかかってきました。

つまり、一歩間違えれば、明日は我が身。
自分もそういった犯罪に走ってしまうかも知れないという危機感が、自分にはあります。
ずっと忘れかけていた感情でしたが、この事件をきっかけに思い出してしまった。

安倍さんの事件以来、ずっと複雑な気持ちを抱えていたのは、たぶんそこに原因があるのだろうと思います。

もちろん、そこまではみ出てしまうのはそう簡単なことではないし、自分の人生がうまくいかないと思っている人のほとんどは、ギリギリのところで踏ん張っているし、自分もその一人だと思っています。
私は、幸いにも、今のところ贅沢をしなければそれなりに生活できるお金はあるし、人とのつながりが全く無くなってしまったわけではないし。

でも、何がきっかけになって、いつはみ出してしまっても、おかしくないなという自覚があります。
今はその自覚があって踏みとどまっていられるとしても、ストレスが積み重なって、脳に何か異常が出てきてしまったら、その時はどうなるか分かったものじゃない。

もしもこれから先、自分に自覚があるうちに、もう限界になっている自分に気が付いたら、その時は自分で自分の息の根を止めたい。
それは被害者が有名な政治家とは限らなくて、それが誰でも、こんな悲しい事件を自分の手で起こすようなことは、何とか自分で阻止しなければと思うのです。
そのような状況になってしまえば、自分にできることは、やっぱり自分から死を選ぶことしかないのかなと思っています。それ以外に止められることを想像できません。

そんなことばかり考えて、頭の中がグルグルしていたのですが、テレビのニュース等で流れてくる言葉は、「言論に対する暴挙だ、これを許すわけにはいかない」というものばかり。

え?犯人が捕まったばかりで、犯行の動機とか、その犯人の背景とかすでに全部わかっているの?

と、とても違和感を感じました。

自分なら、犯行の詳細がわかるまでは、やはり被害者のことをまず心配すると思う。
詳細がわかるまでは、「言論に対する~」などとは、絶対に言えない。
決めつけずに、何があったのか知りたい。

犯人についての詳細がだんだんと明らかになってきても、まだ言っている人もいて、全く意味不明。間近に控えた選挙と関連して、何か意図でもあるのかと、つい疑ってしまった。
そんな心配しなくても、自民党は圧勝するよ。皆自民党好きだし、それ以上に野党にはうんざりしているし。
私は自民党は好きではないけど、それ以上に野党にはうんざりしています。

ちなみに私は安倍さんのこと、好きではありませんでした。
ただ、それは安倍さんが主張する日本の未来と、私が理想として思い描く自分の未来に、大きな差異があるからであって、決して一人の人間としてこの人をダメだと言っているわけではありません。
もっとも、私が思い描く未来を訴える政治家なんていないし、もしもいたとしても、選挙では落選してしまうでしょう。つまりは、私はどうしたって政治家を好きになることはないということです。

でも好きではないからと言って、長く総理大臣を務めた人を、悪く言おうとは思わないのです。
政治家、特にトップの総理大臣ともなれば、国民になり代わり、答えのない問題の一つ一つに判断を下さなければなりません。それは私たち一般の市民には想像もつかないほどの、重い重い決断です。ものすごい重圧です。
それだけでも、この人に敬意を表す理由になると思うのです。

もちろん、個人的にはそれは違うと言いたくなることもありますが、どれもこれももともと正解のない問題です。どうすれば正しいのかなんて、誰一人わからないことばかり。そして私たちになり代わり決断をしてもらうために、選挙で選ばれた人です。

安倍さんが進めてきた政策がどうだったのか、その答えはまだ全部出たわけではないし、私としては、いろいろなスキャンダルの釈明も含めて、安倍さんには生きて活躍してほしいなという気持ちが強かったな。好きではない私にとっては、安倍さんに対する評価は、まだまだこれから先のことだったのです。

安倍さんが亡くなって、世界の要人の話など、いろいろと報道されていますが、少なくとも外交についてはとても活躍された方だったのだなと、あらためて感じています。
特にトランプやプーチンなど、なかなか付き合いにくい人とそれなりにうまくやっていたこと。
この力を活かして、ウクライナとロシアの戦争解決にも尽力して欲しかった。

それにしても、安倍さんが撃たれる映像が何度も繰り返し流されていますが、SPの人達の動きはどうなんでしょうね。

私が知っているSP像はテレビドラマの世界の中のものでしかないわけで、現実とは大きな乖離があるんだなと思ってしまった。
テレビドラマの中でカッコよく描かれるSPなら、犯人が歩道から車道に入ってきた時点ですでに動いていたはず。

勝手な想像なんですけど、安倍さんはすでに現職の総理大臣ではないし、まさかそんなことが起こるなんて想像していなかったという油断と、または怪しいと思っても万が一間違っていたら大変だという気持ちが働いていたのではないか、そんなことを考えてしまいました。

テレビのドラマだったら、たとえ間違えても職質くらいはしていたと思います。

私は見た目がとても怪しいらしく、職質を良く受けますが、この時も容赦なく職質すればよかったのに。
こういう事態を防ぐための職質でしょう。私だってそう思うから、度重なる職質に快く応じているのに。ここでやらないのなら、何のための職質なのか。

そしてよく言われているのが、日本では銃で襲ってくることは想定していないということ。

私は、自分が想定していなかったことが起こると、パニックになってしまうということを自覚しています。
だから、なんでもかんでも、これから先に起こることを想定してしまう癖がついています。時にはそれが予期不安につながって、全く身動きできなくなってしまうこともありますが、しかし、想定しなければいざという時にはそれ以上に動けなくなってしまうのです。

困ったもので、子供が襲われるような事件が起きたりすれば、子供がいる場所に行くと、周りに怪しい人がいないか、怪しい人が襲ってきたらどうすればよいか、脳内でシミュレーションしたり、女性が襲われるような事件でも同じ。
怪しい人がいたりすると、安全が確認できるまで、後をついていってしまうこともあります。
もしかしたら、私の方がよっぽど怪しい人なのかもしれませんけど。

だからと言って、いざそういう場面に遭遇した時、自分のイメージ通りに動けるかは怪しい気もしますが、何もしなければまず間違いなく固まってしまうのだと思います。少なくとも私の場合は。

やっぱり安倍さんの事件も、あらゆる可能性を想定していれば、もしかしたらこんなことにはならなかったのではないかと、そう思えて仕方ありません。
死んでしまった人が戻ってくるわけではないので、いまさらそんなことを言っても意味がないのかも知れませんが。

犯人の山上には、多少同情する部分はあっても、やはり許されるものではありません。
しかしながら、宗教って何なのでしょうね。
こんなものにお金をつぎ込む心理がよくわかりませんし、それと同時に、弱みを突いて擦り寄ってくるところが気持ち悪い。
テレビに出てきたその宗教の人の顔の表情を見て、あ、この人洗脳されていると思ってしまった。

よく日本人は平和ボケと言われますが、私はそれを決して悪いことばかりとは思っていません。
平和ボケでいられるのって、とてもステキなことじゃないですか。
もしかしたら政治のお陰かも知れませんし、警察のお陰かも知れない。または自衛隊、さらにはアメリカのお陰かも知れない。

恐怖の中で生きているより、平和ボケで生きていられる方がよっぽどまし。
この平和ボケでいられる日本という国に感謝しています。

この事件で日本の安全神話が崩壊したというような声も聞こえます。もちろん用心するに越したことはないけれども、自分のすぐ周りにもう少しでも関心を持つことができれば、まだまだ十分に安全でいられるのではないかと思っています。気楽すぎますかね?

今回の事件にしても、犯人は何度か試し撃ちをしていたと言われています。
ものすごい音が発生したということですし、そこで何かおかしいと感じて警察に通報するなり何か行動を起こす人が一人でもいたら、もしかしたら...

何と言うか、もし間違えていたらと考えて、行動に移せないことがたくさんあります。
間違えてもいいんだよという社会の雰囲気が、とても大切なのではないのかな思うのです。
もう些細な間違いを責めるのはやめましょう。
安全を守るというのはそういう事だと思うんです。

私も警察の職質にあっても、不平不満を言わず、素直に従うことをお約束します。
警察の人にも間違いはあっても良いのです。
これで安全が確認できればお安いものです。
交番に招かれて荷物をチェックされ、凶器を持っていないか身体中を触られ、お財布の中の一つ一つ、免許証からスーパーのポイントカードまで全てチェックされたり、そうかと思えば、人通りの多い駅の構内で、荷物を広げてチェックされた私が言うのですから間違いないです。

tohost3250303.hatenablog.com

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でも、正直に申しますと、吃音の私は、職質となりますとしどろもどろになり、ただでさえ怪しい人なのに、その怪しさが一層拍車をかけるわけです。
ものすごいストレスです。

これからは警察の警備も厳しくなるのでしょう。できるだけ警備が必要な現場には足を踏み入れないように、注意したいと思いますが、それにしても、山上よ、お前のせいで、私は職質に晒されるのだぞ。
と、文句の一つでも言いたくなるのでありました。

でも、警察の人には、文句はつけません。どんどんやって下さい。

 

おわりです